2014年11月29日土曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(67) まとめ(5)「会社の成長戦略の立案方法」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(67)
まとめ(5)「会社の成長戦略の立案方法」





 おはようございます。さて、今回は、会社の成長戦略の立案方法について見ていきます。

ビジネスを一定期間やっていると、時々、予期せぬ飛込み客から注文が入り、自社が多角化できる可能性を知り、自社の業績回復や新たな成長ができる時があります。

この予期せぬ飛込み客のことを「シンデレラ」と言っていますが、この「シンデレラ」が現れた時が事業の転換点になりやすく、またとない事業機会をもたらすことがあります。

たとえば、前回の例なら、セイコーエプソン株式会社のように、時計メーカーがPCのプリンターメーカの子会社を持つような、本来、本業にしていなかったことに需要があり、その新しい需要を取り込むことによって業績を伸ばすことができるのです。

「シンデレラ」の特徴は、自社の新たな事業機会を教えてくれるため、「シンデレラ」が持ち込んだ仕事がたとえ少額であったとしても、そこから次の展開を考えることで、大きく事業を成長させることができます。

そして、事業を成長させる時には、

 1 集中的成長 
 2 統合的成長 
 3 多角的成長

この3種類の成長を考えます。

また、1~3の内容は、

1の集中的成長は、既存市場での成長
2の統合的成長は、関連市場を取り込んだ成長
3の多角的成長は、現在の事業とは関係のない市場を取り込んだ成長

のことです。

一見、「シンデレラ」が持ち込む案件は、1の集中的成長で、既存市場での成長を促すものと思えるのですが、そうではなく、1~3の全ての可能性があります。

たとえば、引越し業者の場合なら、引越し業者が、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、家具、カーテン、絨毯、床のコーティング・・・ など、本来、依頼を受けた業務とは関係のない製品を顧客から受注することがあります。

また、引越しの時に顧客から引き取った家電製品や家具などを古物商として関連会社で販売することもできます。

そして、そもそも引越し(運搬)にかかる料金よりも、引越しにまつわる製品の方の売上額が大きくなることもあり、事業も関連市場、新規市場と多角化も可能です。

つまり、引越し業なら、自社の事業の定義を引越し(運搬)だけに限定してしまうと、せっかく舞い込んでくれた「シンデレラ」からの贈り物を台無しにしてしまい、自社の新たな事業機会を損出してしまいます。

ですから、ここから汲み取るべき重要なことは、自社の事業の定義でさえ、自社が決めるのではなく、お客さんが決めるということです。

そうすることで、自社の成長の機会を与えてくれる「シンデレラ」が現れた時にも、その機会が生かせれば、自社の業績回復や新たな成長も可能になるのです。

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2014年11月27日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(66) まとめ(4)「会社の成長戦略とは何か」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(66)
まとめ(4)「会社の成長戦略とは何か」





 おはようございます。さて、今回は、会社の成長戦略とは何かについて見ていきます。

よく、「ランチェスター●●」とネーミングされた経営やマーケティングなどに関連付けたものがありますが、そこでは、「中小企業は弱者だから強者の大手企業とは戦わずに、大手企業が手を出せない市場の特定分野(ニッチ市場)に集中した経営戦略を取ることが、中小企業が唯一の生き残る道である。」と言われています。

一見、正しく見えますが、本当にランチェスターの法則と言われる戦争での戦闘モデルが経営やマーケティングと同じ数理モデルで成り立つか? と思えば、考えるまでもありませんね。

まず、経営戦略は、中小企業であろうが大手企業であろうが、同じです。事業規模には、何ら関係がありません。市場の成長性、現在の自社の市場でのポジションと将来像に合わせて経営戦略を決めるだけです。

そもそも、全ての大手企業は、最初はスモールビジネスから始めて大手企業になったのですから、中小企業は、ニッチ市場に集中した経営戦略を取ることが、中小企業が、唯一、生き残る道であると言うこと自体、ナンセンスな話です。

ランチェスター経営なるものが、どんな数理モデルや統計資料から納得できる再現性のあるビジネスモデルを根拠にして言っているのか、全く持って信憑性がなく、なぜ、そんなバカげたことを言っているのか呆れるだけです。

また、ランチェスター経営の推奨者は、特に地方産業で頑張っている会社に地域ナンバーワンになることをやたら力説しますが、自社が参加している市場が衰退期になっていて競合他社が撤退している時に、「猛烈に頑張って地域ナンバーワンになって、倒産しました!」とでも言わせたいのか? 無責任な言動はやめてほしい。

たとえば、セイコーエプソン株式会社なら、長野県の諏訪市で服部時計店から始め、その後、有限会社大和工業を設立して腕時計の部品製造や組み立てをするようになり、その後、株式会社諏訪精工舎となり、腕時計の一貫生産体制を確立しました。

そして、子会社として信州精器株式会社(後のエプソン株式会社)を設立し、1985年に諏訪精工舎と子会社のエプソン株式会社が合併して、現在のセイコーエプソン株式会社となりました。

会社は、こういった市場の変化にそって成長して行くのですが、これを服部時計店は、服部時計店として、長野県諏訪市でナンバーワンになることが、市場で唯一生き残る道だと言ってしまうと、現在のセイコーエプソン株式会社は存在しませんし、服部時計店も市場の変化にそって、市場のセグメントの移動と合併を繰り返すことで、現在のセイコーエプソン株式会社として生き残れたのです。

ですから、中小企業が生き残る道は、地域ナンバーワンになることが生き残る道ではなく、どのような事業規模であっても、会社は、市場の変化にそって、自社の強みを活かせる市場セグメントの移動と合併を繰り返すことで生き残って成長することが出来るのです。

ところで、生き残っていても、「もう、30年も零細企業をしていて、自転車操業が厳しくなるばかりで、どうにかならないものでしょうか?」と、おっしゃる方がよくいます。

30年も継続して商売をしていれば、何らかの強み(売れる理由)があるはずですから、1つは、自社が参加している市場セグメントの成長性を確認して、競合他社に競争で負けているのか? それとも市場のニーズが衰退しているのかをはっきりさせて、方針を決める必要があります。

そして、もう一つは、会社の将来像はあるのか? あるのなら、どんな将来像なのか? 将来像に向けて、毎日、どんなことをしているのか? を確認して、実行する必要があります。

以下は、以前、紹介しましたが、会社を成長させるには、どんなことをすればよいのかがよく分かりますので、参考にしてください。


出典:「はじめの一歩を踏み出そう」マイケル・E・ガーバー著

IBMの創業者であるトム・ワトソンは、IBMを成功させた理由について聞かれた時、次のように答えたと言われている。

「IBMが今日の姿に成長したのには、三つの特別な理由があります。
最初の理由は、事業を立ち上げて間もないころから、はっきりと会社の将来像を描いていたことです。

言い換えれば、私の夢やビジョンが実現した時に、会社がどんな姿になっているのかを想像する能力を持っていたということでしょう。

二番目の理由は、会社の将来像を決めた後に、そのような会社なら、どんな行動をするべきだろうか? と、自分に問いかけ、これを繰り返すことで、私は成長を遂げた後のIBMがどのような企業活動をしているのかについて、明確なイメージを創り上げていきました。

三番目の理由は、私がIBMを立ち上げて間もないころから、優良企業の経営者と同じくらいの厳しい基準をもって経営しようと心掛けたことです。

なぜなら、平凡な企業が突然、優良企業になることはできませんので、優良企業になるためには、会社を立ち上げた時から、毎日、優良企業のようなしっかりとした経営をしなければならないのです。

IBMでは、創業当初から、このような青写真がありました。そして、毎日、将来像に近づけるように、仕事が終わった時に、その作業がどれくらい進んでいたのかを確認していました。

そして、現在の姿と現在あるべき姿にギャップがある場合は、そのギャップを埋めるのが、翌日の課題となったのです。

ですから、今、思えば、私はIBMで商売をしていたのではありません。事業を成長させることに精力を注いでいたのです。

IBMでは、事業を経営していたのではなく、事業を創造していたのです。」


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2014年11月26日水曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(65) まとめ(3)「ワンマン経営の本質」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(65)
まとめ(3)「ワンマン経営の本質」




 おはようございます。さて、「ワンマン経営」と言うと、「えっ、それ、何ですか?」と、言われそうで、死語になったイメージの言葉ですが、ところが、そうでもなく、現在も普通に使われています。

ワンマン経営という言葉は、社長が独裁的な恐怖経営をするブラック企業というイメージがありますが、そうではありません。

たとえば、2008年の年末に、東京の日比谷公園で、派遣村という雇用難民の人達を救済しようという運動がありました。

ところが、派遣村に雇用難民として集まった人には、日雇いや期間労働者も多くいて、それなりの給料をもらっていたりしたため、翌月の15日には閉鎖されました。

この時、宣伝効果を狙ったのか、ハローワークに名乗りを上げて大量雇用を申し出た会社が何社もありましたが、それらの会社の多くが、典型的なブラック企業でした。

たとえば、ある会社は、希望者は無制限で受け入れると豪語していましたが、一人の応募者すらいませんでした。

その会社が提示した雇用条件は、大卒以上で日雇いや期間労働の6割くらいの給与で、寮はなく、受け入れ態勢は何もないと言うよりは、派遣村で日雇い労働をした方がはるかに労働条件が良いのです。

当然、その会社は新聞各誌からも、人の弱みに付け込んだ悪質な会社と痛烈な批判を受けましたが、その会社の社長は、マスコミの取材にも一切応じず、行政も何もしないままでした。

一般的に、こういったブラック企業の社長が行う会社経営がワンマン経営というイメージがありますが、政治でも恐怖政治という言葉があるように、こういった会社の経営は、恐怖で人を支配する恐怖経営で、決して、ワンマン経営ではありません。

ワンマン経営とは、「決断においてワンマンである経営」の事で、「全ての責任は社長が取る」といった経営です。

ですから、会社経営において、ワンマン経営は、いたって当然のことです。

また、これもよくありますが、社の方針に係わることでも権限移譲をして、責任を部下に取らせ、それを民主的な経営だと信じている社長がいますが、それは、民主的ではなく、責任放棄した無責任経営で、無責任経営を続けていると、多くの場合、事件や事故が起きて、会社の信用を失墜し、衰退の一途をたどることになります。

ワンマン経営には様々な利点がありますが、ワンマン経営の最大の利点はピンチに強いという点です。

パナソニックの旧式石油ストーブの回収と保障、日産のゴーン氏による会社の再建、トヨタのリコールに対する社長自らの対応を見ればわかるように、社長自らが勇猛果敢に会社の責任を取る姿勢がなければ、会社の再建や成長は望めません。

また、内容にもよりますが、クレームが起きると、社長に連絡があっても、担当者から連絡させますと従業員に言わせて、非常に無責任な逃避をする社長がいますが、そのような行動をした場合、即時、取引停止になることが殆どです。

以下は、以前ご紹介いたしましたが、本当のワンマン経営とは何かを理解する上で非常に役立ちますので、参考にしてください。


出典:経営の思いがけないコツ 一倉定著

クレームに社長自ら駆けつける 

 S社は牛モツの納入業者である。同社はモツの鮮度保持に、あらゆる努力を惜しまない。そのためにお客様の信頼は絶大である。

ある時、大手スーパーから、モツの鮮度についてのクレームがついた。社長は、ただちにお客様のところに駆けつけた。現物を見ると、それは別の会社からの納入品であった。

バイヤーが待っていて、「あなたのところは、クレームをきくやいなやただちに社長が駆けつけてきた。

それに反して、クレームを起した会社は、社長どころか、セールスマンさえも顔をださない。」と怒って、その場の欠席裁判でライバル社を出入り禁止とし、S社長に、「我が社は二社購買が方針だが、事は衛生問題である。

仕入部長には私が事情を報告して了解をとるから、明日から全量を納入してもらいたい」と決めてしまった。

S社長いわく、「クレーム処理は儲かりますね」と。


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スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(64) まとめ(2)「社長の使命とは何か」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(64)
まとめ(2)「社長の使命とは何か」





 おはようございます。さて、今回は、スモールビジネスのまとめの第2回目となります。

この「社長の使命とは何か」という質問に明晰に答えることができるスモールビジネスの社長も、ほとんどいません。

起業して間もない方は、しょうがないにしても、遅くとも起業して1ケ月以内には、何となくでもいいので、気づけないと、長期的な事業の存続は無理です。

以前、マイケル・E・ガーバーの書籍から引用して、サラというパイ職人の女性起業家の魂の叫びのような話をお伝えしました。

サラは、小奇麗なお店で美味しいパイをつくることが社長である自分の仕事だと信じていましたが、しかし、それだけでは、激務と金策に追われるだけで、社長が何をすれば良いか判らなくなり、その答えを探してマイケル・E・ガーバーを訪ねることから、この物語が始まります。

この書籍は、経営者や経営幹部諸氏が客観的に自分を見つめるには大変良い書籍ですが、ただし、この本での解決策だけでは、一つの方法論の提案だけに終始してしまい、本質的な解決策には至りません。

なぜなら、この書籍での解決策は、自社に最適なビジネスシステムを持つことが解決策となっているため、そもそも、社長の使命とは何かという本質を問うことがありませんでした。

その辺は、客観性を持たせるためにも、ドラッカー、ポーター、コトラー、松下幸之助、稲盛和夫、一倉定・・・、などの書籍や動画等を引用して捕捉しましたが、まず、経営者にとって重要な事は、手段や方法ではなく、なぜ、そう思うのか?という本質的な問題解決をする必要があるのです。

そして、そういった本質的な問題でも、そもそも「社長の使命とは何か」ということを明晰にしておきませんと、市場において我が社がすべきことすら何かも判らないのです。

ドラッカーは、「企業の使命とは何かと問われれば、それは、市場を創造することである」と明快に答えていますが、同様に「社長の使命とは何かと問われれば、それは顧客を創造すること」です。

ですから、極端な言い方をすれば、社長の仕事は、お客さんを創ることで、それ以外のことは、その準備のための補足的な作業なのです。

特に、事業継承で悩んでいる創業者の方にお伝えしたいのは、事業継承する時に自分の欲に負けた間違った判断をしないためにも、自分が創業した時のことを思い出して欲しい。

来る日も来る日も、自分ではどうすることもできない不安の中で、何とかお客さんを少しづつ増やし、自転車操業ながらも何とか会社を継続させて、ようやく今に至ったはずです。

そして、市場競争で生き残ることは、とても厳しいことだと創業者のあなたは、身を以て知ったはずです。

その経験からも、事業継承するつもりがあるのなら、いつまでも最前線で行動するのではなく、早い段階で継承者自身の力で顧客を創れるように育てることに集中して欲しい。

社長の使命は顧客を創ることだと身を以て知れば、会社は何とかなるのです。

世の中は、常に変化し、その変化についていけなくなった時、会社は倒産します。

しかし、社長の使命とは顧客を創造することだと身を以て知れば、自社が顧客のためにどのような変化をすれば良いかが判るのです。

このように、「社長の使命とは顧客を創造すること」であり、その使命を会社の本質的な問題の解決策の中軸に据えて企業活動していくことが必要です。

2014年11月25日火曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(63) まとめ(1)「会社とは何か」

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(63)
まとめ(1)「会社とは何か」




 こんにちは。62回に渡り、スモールビジネスが上手く行くために必要なことについて様々な視点からお伝えしましたが、少し捕捉しながらまとめたいと思います。

まず、スモールビジネスと言われているビジネス形態は、ざっくりと言いますと、次の3つのビジネス形態に分類して考える必要があります。

1 個人事業(フリーランス系)
2 個人が創った小規模事業所
3 出資や公的資金によるベンチャー型小規模事業所

この3種類がありますが、まず、1と2は、経営と言うよりは、多くても10人程度の従業員や外注先を確保して、自分達の雇用を維持するといったことがテーマになりがちです。

そして、それらに関する指南書や情報や動画が本屋さんやネットなど、様々な場所に溢れ返っていますが、ほとんどが欲を煽る稚拙な内容か、経営と何ら関係のないデタラメなもので溢れ返っています。

たとえば、中小企業振興公社の下請けをしている居候弁護士の経営セミナー、元銀行員が語るキャシュフロー経営、税理士や会計士が語るランチェスター経営、女性中小企業診断士による女性のための○○セミナーなど、タイトルを見ただけでも怪しい限りですが、特に、最近、ステータスを悪用した例が増えていますので、その手口に騙されないようにしてください。

たとえば、悪質な弁護士の特徴は、社会経験が浅く、共同弁護士事務所の看板を悪用し、相談者が経営に行き詰まり、うっかり相談すると、弁護士自身が自分の仕事を確保するために、すぐに相談者の破産を勧めてきたりします。

最近、相談を受けた例でも、話を要約すると「会社があと半年くらいしかもたないので、ある女性弁護士に公的機関の無料相談を通して相談したら、すぐに破産することを勧められましたが、どう思いますか?」という相談がありました。

そもそも、そんなところで営業している弁護士に経営相談すること自体が誤りですが、その女性弁護士の話を要約すると、「個人財産は嘘をついて合法的に隠せる」、「借金は証拠がなければ嘘をついて合法的に踏み倒せ」・・・ といった内容でした。

正直言って、法律云々以前に、この女性弁護士には、「お前は、弁護士と言う肩書を悪用した泥棒だ!」と言いたくなります。

また、この相談を頂いた方の話をよくよく聞いてみると、この女性弁護士以外にも何人もの弁護士に相談していて、「女性弁護士の時は、この人物は頭がおかしい?と思いましたが、でも、他の弁護士も大して変わらない結論でしたよ。」ということでした。

弁護士という肩書を悪用した悪質な例ですが、これ以外にも「医者と言う肩書を悪用したサウナ屋のおやじ」など、これまた、例をあげれば限りがありませんが、こういったステータスを悪用した人のセミナーや書籍などでバイアスがかかると、正気に戻るのが大変ですので、窮地に追い込まれた時ほど、「君子危うきに近寄らず」といったことが必要です。

その上で、話を戻すと、スモールビジネスの3つのタイプの共通テーマは1つです。

それは、「会社を創業した創業者自身が己の私心を捨てて、会社は、自分のものではなく、お客さんのものだということを自覚し、徹底すること」です。

たとえば、創業者の後継者選びでも、創業者の個人的な自己実現を継承してくれそうな人物を創業者は二代目に選びたがります。

これは、まだ、ましな方ですが、悪質なバイアスにかかっている場合、会社は自分の財布だと思っていますから、引退後も自分の財布を守ってくれる人選をします。

こういったことが正せない場合、仮に玉手箱のような仕組みがあったとしても、スモールビジネスそのものの運営は短期的なものになり、成長もしないし、長続きもしません。

また、3のスモールビジネスは、1,2と少しビジネス形態が異なり、決定的な違いは予算型ビジネスという点です。

予算型ビジネスの最大の欠点は、成果が顧客への貢献ではなく、いかに自分達の組織の予算を確保するかという点です。

そして、このビジネス形態が、さらに公共性を失うと、公的機関の下請けや、はけ口となるNPOやNGO、大手企業の窓際ベンチャーといった、もはやビジネスと言える状態ではありません。

このような予算型組織を作りたがる人の本音は、競争原理が働く世界から逃避して、自分の収入を確保する方法として自分達の組織運営を継続させたいのです。

つまり、前述のような自分が創業した会社は、自分の財布だと思っている経営者と同じ考えです。

まず、こういった、おかしな妄想や儲け話を排除することが必要です。

そして、スモールビジネスを行う上で、最初に改善すべきことは、「会社を創業した創業者自身が己の私心を捨てて、会社は自分のものではなく、お客さんのものだということを自覚し、徹底すること」です。

まず、ここから始めましょう!


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