2015年1月8日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(75)

まとめ(13)「絵が持った不思議な力」(2)
(一倉定先生流の環境整備)




おはようございます。先日、「必要な物」と「欲しい物」の違いが分からず、「必要な物」しか売らないため、「治療技術(必要な物)」が良くても儲からない歯医者さんの事例をお伝えしました。

今回は、少し視点を変えて、一倉定先生(経営コンサルタント)流の環境整備から見た歯医者さんの成功事例について見ていきます。

一倉定先生(経営コンサルタント)をご存知ない方もいらっしゃると思いますので、簡単に一倉定先生をご紹介します。

一倉定先生は、5000社を超える企業の経営者(経営幹部も含む)を指導し、多くの倒産寸前の企業を立て直した、昭和の時代を代表する経営コンサルタントで、「社長の教祖」とまで言われる異名を持つ方でした。

空理空論で経営する社長や、利益だけを追求する社長に対しては、烈火の如く怒り、顔を真っ赤にして容赦なく叱り飛ばす「炎のコンサルタント」しても有名な方です。

「ダメな会社は社長が全て悪い。人のせいにするな、部下のせいにするな、環境のせいにするな」という名言があります。

一倉定先生は、多くの教えを残していますが、その中でも特筆すべきことに「環境整備」があります。

一般的に環境整備というとTQC(トータル・クオリティー・コントロール)の3S~6S(整理・ 整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)・作法)までのイメージをもたれると思います。

しかし、一倉定先生の「環境整備」は、それとは、まるで違い、お釈迦様が弟子のシュリハンドクにやらせた「塵を払わん、垢を除かん」と言いながら掃除をして「悟る」ような内容で、その悟ったことを実践して顧客満足度を高めます。

有名な話では、峠の釜めしで有名になった「おぎのやのトイレ」の話があります。

さて、ご存知の方も多いとは思いますが、現在、個人の歯科医院の数は、コンビニの店舗数よりも多く、供給過多で自然淘汰されています。
しかし、そういった競争環境であったとしても繁盛する歯医者さんはあり、そこには共通の何かがあるのです。

たとえば、ある歯医者さんは、「治療の腕は良い」、「綺麗な歯を創る」といった「必要」、「満足」条件を満たしていて、客足は絶えませんが、繁盛とまでは行きません。

待合室は玄関を兼ねていて靴を履いたまま待たされ、誰が見るのか分からないテレビが常時、放映されています。また、診療室では有線放送で10代の歌手がグループで歌っている歌謡曲が流れていて、少しうるさくイラつきます。

最近、最も多いのがこのタイプの歯医者さんです。

また、別の歯医者さんは、「治療の腕はいまいち」、「綺麗な歯を創る」といった状態ですが、待合室にはテレビはなく静かです。

診療室は、個室風になっていて、そこには幻想的な絵(印刷物)があり、有線放送で主にクラッシク(バロック)が流れていて、座り心地の良い治療台で、治療するまでは癒されます。

ところが・・・、治療が始まると、腕がいまいちで、治療は痛いことが多く、治療医も派遣なのか、毎回、コロコロ変わります。

しかし、最初に紹介した歯医者さんよりは繁盛しているようです。

また、別の歯医者さんは、「治療の腕は良い」、「綺麗な歯を創る」といった状態で、待合室は、テレビはなく静かで、大きな幻想的な絵があり、すわり心地の良いソファーがあります。

診療室は、個室風になっていて、そこにも幻想的な絵があり、有線放送で主にクラッシクが流れていて、座り心地の良い治療台で癒されます。

治療も気配りが届いていて、痛みを感じることが殆どなく、治療時の水しぶきや、いやな匂いも対策がされています。

この歯医者さんでの不満は、場所が他の歯医者さんより、駅から、ほんの少し遠く、いつも予約で満杯です。

この3つの歯医者さんを比較すると、3番目に紹介した歯医者さんが最も繁盛しているのは判りますが、2番目に紹介した歯医者さんが、最初に紹介した歯医者さんより繁盛しているのは不思議です。

今回は、ここが話のポイントですが、つまり、歯医者さんにとって、一倉流、顧客満足度を高める環境整備は、「必要条件」よりも、強力な武器になるということです。

繁盛している事例の歯医者さんの環境整備は、「癒し」がテーマで、絵と音楽で演出していますが、歯医者さんとして「必要」、「満足」条件を満たしていても、一倉流環境整備ができていないと、商売としては、いまいち繁盛しないのです。

特に、絵は、絵画療法という言葉があるように病気の治療にも直接利用されていますが、どちらかと言えば、医業に限らず、全ての業界で「癒し」を演出するために飾られていることが多いです。

前回、曼荼羅アーティストの杉本みのりさん(http://ameblo.jp/mihanae-minori/entry-11972229551.html)の先生の「商売が繁盛する絵」を紹介しましたが、一倉流、顧客満足度を高める環境整備という視点で「商売が繁盛する絵」を見ると、全く不思議な話ではなく、当然の結果です。

ただし、現在、マクドナルドが「異物混入事件」で大変な問題になっていることからも判るように、企業において「必要条件」を満たすことは、絶対条件ですので、「必要条件」→「満足条件」→「環境整備」といった順番で問題解決されている必要があります。

2015年1月6日火曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(74)

まとめ(12)「絵が持った不思議な力」(1)




おはようございます。本年もどうぞ、よろしくお願いします。さて、世の中には不思議なことがあるもので、何故だかよくわかりませんが、「絵には不思議な魔法の力があるのか、絵や画家を大切にしている会社は、なぜか業績がいい会社が多い」のです。

私は、杉本さんの曼荼羅アートが好きで、よく、杉本さんの曼荼羅アートをFBで投稿させて頂いていますが、年初に杉本さんとお話をしている時に「絵には不思議な力がある」ことを思い出しました。

最初は、杉本さんが年初にブログで、新年の思い出の絵のエピソードをその絵の写真と共に語っていらっしゃったのですが、何故か、その墨絵が気になり、こんな立派な墨絵を毎年買うって、こういう絵は、いったいくらするんだろう? ということから始まりました。

ただ、まさか、「この墨絵は、いくらですか?」と、単刀直入に聞くのも失礼だと思いましたが、なんだか妙に気になり、いてもたってもいられず、思い切って杉本さんに質問してみました。

すると、何と、この墨絵の作者は、杉本さんの絵の先生で、そんなこともあってか、この墨絵は、ちょっと信じられないような安い値段でしたが、さらに、思いもよらぬ貴重なお話がきけました。それは、こんなお話しでした。

「この絵を描かれた方はもうご存命ではないのですが、父のリタイヤするまでの長い間、いくつかの企業さんの間で、【あの絵を飾ると業績が右肩上がりになる!】と言われていた縁起のよい幻のゲン担ぎ画家さんでした。

取引のあった一部上場企業さんたちが本社にも支社にも飾りたいと毎回多数のリクエストを下さり、盆暮れのご挨拶に贈っていました。」

ということでした。

実は、自分も、このような絵にまつわる不思議な体験をしたことがありました。

それは、自分が経営コンサルタントとして駆け出しの頃、ある有名な経営コンサルタントが他界されたため、その先生の後継の仕事が、なぜか私のもとに沢山舞い込んで来た時期がありました。

その頃、その後継の仕事でいろいろな会社にお邪魔したのですが、その中でも、なぜか、不思議と業績の良い会社は、絵や画家を大切にしていて、ある会社では、絵をまるで、神棚のような扱いをして飾っている会社もありました。

また、ある卸売りをしている会社では、もともと業績が良かったので、卸売以外にも小売りを始めましたが、不思議なくらい小売りの方も順調で、短期間に予定数の店舗展開に成功しましたが、本社には大きな絵があり、各小売店には、同じ画家の小さな絵が大切に飾ってありました。

当時、一般的にも絵を飾るのが経営者の間で小さなブームになっていましたが、いつの時代も悪い輩はいるもんで、まがい物も相当数、流通していました。

自分が訪問した会社で飾られている本物の絵は、印刷物や贋作と違い、やはり、絵を見た瞬間、何とも言葉で表現できない不思議な感情で癒されるのが特徴でした。

受付があるような大きな建物の入り口には、絵が飾られていることが多いですが、こういった力だけでビジネスが何とかなるわけではありませんが、絵があればあったで、何らかの効果があるもので、新たな突破口になるかも知れませんね。



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