2014年5月29日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(37) ビジネスモデルを創る ステップ(6) 売上計画の考え方 水漏れするバケツ(2)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(37)
ビジネスモデルを創る ステップ(6)
売上計画の考え方 水漏れするバケツ(2)





競合他社を明確にし、あなたの会社と競合他社のマーケティングの7Pを比較すれば、あなたの会社の「強み」(売れる理由)、「弱み」(競合他社の製品が売れる理由)が明らかになる。

そして、この、自社の「強み」と「弱み」をはっきりさせることで、ようやく、自社の売上計画が見えてくるのである。

このように、売上計画を立てる時は、自社の「強み」と「弱み」をはっきりとさせ、そして、それらをどのように改善すれば、今以上に売り上げが増えるかを考えれば、良いのである。

そして、この時、考えれば良いことは、次の3つである。

1 自社の顧客が一度に買う金額を増やすには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

2 自社の顧客が買う回数を増やすには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

3 1、2を同時に行うには、「強み」と「弱み」をどのように改善すれば良いか考える。

マーケティングでは、1を実現する時は、一般的に「クロスセル」、「アップセル」と言われる方法がある。

クロスセルとは、たとえば、スーパーなら、カレー粉を買う顧客に、牛肉やジャガイモやニンジンや玉ねぎなどを同時に購入してもらう方法である。

アップセルとは、カレー粉を買う顧客に、今、買おうとしているカレー粉よりも、より高価なカレー粉を買ってもらう方法である。

また、2の顧客が買う回数を増やすには、スーパーなら、ポイントカードがその良い例である。

たとえば、来店回数を増やすために、週に2回ポイント2倍デーなどを行って、来店回数を増やすようにしている。

これ以外にも、冷凍品半額デー、29(肉)の日、タイムセールス、家族割引き、ネット予約特典、2000円以上購入福引き券、タレントを呼んだイベントなど、挙げればきりがないほど、様々な工夫がされている。

こういった活動は、何も小売業に限った話ではなく、企業間の取引でも同じである。

売上を増やすためには、このような、現在いる顧客に対して、自社の「強み」と「弱み」の改善策から考案された方法によって、より売上額を増やすようにする方法が第一の方法である。

そして、既存客の次にターゲットにするのが、競合他社に奪われた、元、顧客である。競合他社に奪われた顧客を取り戻す方法も、既存客と同じである。

そして、もし、失った顧客が返って来て、売り上げが順調に伸びるようであれば、これ以上、手を拡げない方が得策である。

しかし、それでも、まだ、売り上げが満たされないのであれば、最後に標的にするのが「新規顧客(見込み客)」である。

なぜ、このような3段階に分けた方法を採るのかというと、顧客にかかるコストの問題である。


一般的に、新規顧客を獲得するコストは、既存客を維持するためにかかるコストの5倍以上の費用がかかるのである。

従って、かかる費用が高額な「新規顧客(見込み客)」を追いかけて経営を圧迫するのなら、今いる既存客や奪われた顧客へのマーケティングを向上させて売り上げを伸ばす方が、経営上、安全だ。

このような理由から、売り上げを伸ばすためにターゲットにする顧客の順番は、既存客、ロストした顧客、新規顧客(見込み客)の順で、その順番に沿って、売上計画を立てれば良いのである。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(36) ビジネスモデルを創る ステップ(5) 売上計画の考え方 水漏れするバケツ(1)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(36)
ビジネスモデルを創る ステップ(5)
売上計画の考え方 水漏れするバケツ(1)





スモールビジネスの売上計画について見て行こう。

売り上げを増やしたい時に、「まず、最初にどんな顧客から始めるのか?」と質問すると、ほとんどのスモールビジネスの経営者は、どこの誰だか判らない「新規顧客」と答える。

あるいは、ビジネスを始めたばかりなので、顧客は、まだ、よく
分からないと言う。

だが、的のない矢は、当たらないのである。

市場には、強力な競合他社がひしめき、放っておくと、あなたの会社は、水漏れするバケツになるだけで、何かを改善しなければ、直ぐに自社の顧客が枯渇するのが市場の競争原理なのである。

まず、最初にフォーカスするのは、競合他社である。あなたの顧客を奪っていく競合他社にフォーカスするのだ。

ビジネスを始めたばかりで、顧客がいないのなら、今すぐ競合他社は、誰なのか決めなければならない。

ところで、競合他社に関しても、スモールビジネスの経営者は、多くの勘違いをしていることが多い。

競合他社とは、顧客が、製品(商品・サービス)を買う時に、あなたの会社と比較する相手だ。

決して、あなたが目標にしている会社でもなく、あなたが競争したい会社でもない。

ところが、多くのスモールビジネスの経営者は、「御社の競合他社は誰ですか?」と質問すると、業界や地域で有名な企業の名を挙げることが多い。

企業間の取引なら、競争見積もりに参加する同業他社が競合他社だ。地域商売なら、商圏にいる同業他社である。

そして、誰と戦えるのか? を明確にしなければ、何も始まらないのだ。

また、誰と戦えるかは、あなたが決めることではない。顧客が決めることなのだ。あなたの会社の評価は、あなたが決めるのではなく、顧客が決めるのだ。

だからこそ、あなたは、あなたの会社のポジショニングを明確に決めて、顧客のどのようなニーズを満たすか明確にする必要があるのだ。

この、自社のポジショニングが曖昧だと、競合他社が誰か分からなくなるのである。そして、勝てない相手に戦いを挑み、あえなく撃沈するのである。

競合他社が明確になれば、あなたの会社と競合他社のマーケティングの7Pを比較することで、あなたの会社の「強み」(売れる理由)、「弱み」(競合他社の製品が売れる理由)が明らかになる。

そして、この自社の「強み」と「弱み」が分かってこそ、初めて売上計画が見えてくるのである。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ


2014年5月27日火曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(35) ビジネスモデルを創る ステップ(4) 差別化(3)事例

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(35)
ビジネスモデルを創る ステップ(4)
差別化(3)事例





スモールビジネスの「差別化」の方法について見て行こう。「差別化」の事例として、アイスクリームの「ハーゲンダッツ」VS「レディーボーデン」を考えてみよう。

「ハーゲンダッツ」と「レディーボーデン」をマーケティングの7Pで比較すると、

1 製品 高級感VS大衆向け
2 価格 適正VSお得感

この2つが大きく違う。また、カップアイスのハーゲンダッツのシェアもハーゲンダッツがナンバーワンであるが、パイントカップのレディーボーデンは、上位20位にも入っていない。

そもそも競争にならないのでは?

普通なら、そう思うだろうが、そうでもないのである。詳しくは割愛するが、レディーボーデン(ロッテ社)は、打つ手があるのである。

そして、最もコストのかからない手順は、以下のようになる。

1 現在の自社の強み(大衆向け、お得感)を強化する

2 ハーゲンダッツ社がメインにしていない商品の模倣品を作り、ハーゲンダッツ社と比較した時にロッテ社の強み(大衆向け、お得感)を感じるように演出する。

3 2が上手く行くようなら、同じように徐々にハーゲンダッツ社のメインの商品でも同じことをする。

この3ステップである。

では、スモールビジネスでは、どうするのか?

同じである。対象とする市場のポジションが違うだけだ。繰り返しになるが、その手順は以下のようになる。

1 標的にする顧客、競合他社を決める

2 自社と競合他社のマーケティングの7Pを比較する

3 現在の自社の強みを強化する

4 競合他社のメインにしていない製品の模倣品を作り、自社の強みを演出する

5 4が上手くいくようなら、競合他社のメイン製品の模倣品を作り、自社の強みを演出する。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月26日月曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(34) ビジネスモデルを創る ステップ(3) 差別化(2)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(34)
ビジネスモデルを創る ステップ(3) 
差別化(2)







スモールビジネスの「差別化」について見て行こう。

企業が競合他社と「差別化」(改善)をする目的は、競合他社の製品を買うか、あるいは、どの企業の製品を買おうか迷っている顧客が、自社の製品を買うようになるために「差別化」(改善)を行う。

あたりまえの話だが、仮に、市場に競合他社がいなければ、「差別化」(改善)そのものが存在しない。

だが、最強の差別化(改善)とは、競合他社がいない市場を創造することなのだが、現実には不可能である。

しかし、自社を「差別化」(改善)する時に、競合他社が真似できないか、真似しない(特殊なニーズのための差別化)「差別化」を行うことで、市場で自社が独占的に競争優位になることは可能である。

分かりやすい例として、たとえば、PCの市場なら、ウインドウズ系が全体の75%、ユニックス系が12%、アップル8%、その他5%とすれば、スモールビジネスが狙う市場は、その他5%の市場である。

この市場全体の95%の「差別化」は、大きな資本力を母体にした企業だけにできる「差別化」であって、スモールビジネスのほとんどが、市場全体では、たった5%の市場の中での「差別化」を行って競争を行うことになる。

このように、スモールビジネスの「差別化」とは、市場全体で大きな資本力を母体にした企業が見放した、小さな市場で「差別化」できてこそ、事業の継続と成長が成り立つのである。

また、そういった5%の市場の典型的な特徴は、「短納期」で「売上額が小さな仕事」であったり、あるいは、「特殊な技術」が必要で、「汎用性がない仕事」である。

スモールビジネスは、こういった、やっかいな特徴をもった市場で競争することを前提にした「差別化」でなくては、現実問題として、ニーズのない「差別化」になってしまう。

なぜなら、市場全体の95%の市場で競争しても、企業の資本力だけでも競争にならないが、どこの誰だかわからない無名の小さな会社の商品やサービスは、誰も買いたいとは思わないのである。

そして、自社を「差別化」(改善)する時は、

1 市場にいる競合他社の魅力を自社に取り込む
2 競合他社にない魅力を創出する
3 1、2の両方を行う

の3つの方法がある。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月25日日曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(33) ビジネスモデルを創る ステップ(2) 「差別化」(1)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(33)
ビジネスモデルを創る ステップ(2)
「差別化」(1)





自社と競合他社を「差別化」するには、自社のマーケティングの7つの要素(7P)を競合他社と比較して、自社の7つの要素の何を顧客のニーズに沿って「差別化」(改善)するかを決める必要がある。

ところで、マーケティングの7つの要素(7P)とは、

1 製品 
  商品とサービス

2 価格
  製品の値段

3 場所・流通
  会社の場所、納期、取引・製品・情報の流れなど

4 プロモーション
  広告宣伝・手段・方法

5 人
  協力会社までを含めた顧客にサービスを提供する全ての人

6 プロセス
  業務プロセス

7 物的証拠(保証)
  製品の安全安心

この7つの項目である。

スモールビジネスにとって、このマーケティングの7Pの中で、顧客のニーズが高く、かかるコストが安く、短期間に「差別化」(改善)できるのは、3の場所・流通の「納期」である。

「納期」に関しては、営業時間帯を変えることで、納期を早めて「差別化」(改善)を図ることが容易にできる可能性がある。

また、逆に、大手は、急ぎの仕事はできないため、「納期」を短納期対応できるように「差別化」(改善)すれば、スモールビジネスが受注できる可能性が高いため、「納期」を「差別化」(改善)することを常に意識しておいた方が良い。

たとえば、「注文から納品まで、早ければ30分です!」といった、短納期によって「差別化」された自社の強みをアピールしたプロモーションをすれば、上手く行く可能性が高い。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(32) ビジネスモデルを創る ステップ(1)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(32)
ビジネスモデルを創る ステップ(1)





スモールビジネスが、どうすれば上手く行くか? マイケル・E・ガーバーのスモールビジネスの教育プログラムに沿って説明してきたが、今回から、そのまとめに入ることにする。

マイケル・E・ガーバーのスモールビジネスの教育プログラムは、おそらく、現在、市場で販売されているスモールビジネスの教育プログラムで、最も優れているのではないかと思う。

ただし、少し捕捉しなければならない点があるので、その点について触れる。

ビジネスモデルを創るか見直す時に、最初に考えなければならないことは、市場競争で生き残るための条件を選択することである。

ただし、市場競争で生き残るための条件は2つしかない。「価格競争」で生き残るか、「差別化競争」で生き残るかのどちらかである。

もし、スモールビジネスの起業者が価格競争で生き残る選択をした場合、市場全体では不可能だが、特定の条件下(ニッチ市場)では可能である。ただし、あまり長続きはしないので、その点を注意して頂きたい。

なぜなら、スモールビジネスの価格競争とは、結論から言うと、高く買っている顧客に業界相場くらいの価格で売ることによる錯覚がスモールビジネスの価格競争になるのである。

そもそも、スモールビジネスは、財務状況だけ見ても、仕入れや販売価格を低価格化して、価格競争で生き残ることはできないため、「業界相場で販売できる顧客」を探し出すのが、スモールビジネスの価格競争の現実なのである。

従って、もし、自社が何も差別化する要素がないとすれば、この方法をとるしかないのであるが、ほとんどのスモールビジネスは、この方法以外の対策を行っておらず、運よく生き残っている。その結果、自社は安く売っていると勘違いするのだ。

そして、俗に言う、クライアント直という取引にフォーカスするのだが、競争すると赤字になる競合他社が出てくるまでの期間ならこの方法が使える。

だが、現状、インターネットでも価格比較サイトが溢れ返っていることを思えば、かなり厳しく、そもそもが、赤字になる競合他社が現れるまでの束の間のロシアンルーレットをし続けることになる。

従って、最終的に、スモールビジネスが市場で生き残り、成長するためには、「差別化競争」で競合他社に勝つ以外、道はないのである。

このような現実に基づいて考えると、スモールビジネスのビジネスモデルを創るか見直す時には、自社が競合他社と「差別化」できる要素を見つけ出し、その差別化した自社の製品が「定価(市場の相場価格)」で販売できる顧客は誰なのかを特定することを、はじめの一歩とする必要がある。

この「差別化」とは、市場で自社の製品が「オンリーワン」か「ナンバーワン」であり、その「オンリーワン」か「ナンバーワン」の製品を顧客が切望しているのが前提でなくてはならない。

これは、あたりまえのことだが、顧客のニーズがない差別化をしないことが前提となる。

そして、自社と競合他社を「差別化」するには、自社のマーケティングを見直す必要がある。

マーケティングは、7つの要素で出来ており、その7つの要素を競合他社と比較して、自社の7つの要素の何かを改善すれば良いのである。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月23日金曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(31) 「事業モデルの7つのルール」(7) フランチャイズビジネスを変える勇猛果敢な挑戦者

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(31)
「事業モデルの7つのルール」(7)
フランチャイズビジネスを変える
勇猛果敢な挑戦者




そもそも論になってしまうが、事業モデルの7つのルールを創るには、正しい知識を基にしたルールでなくては、混乱を生むだけになってしまう。今回、テーマとしているマイケル・E・ガーバーが提起した7つのルールを説明するにしても、7つのうち、4つまでもがマーケティングのルールである。

しかし、現在、マーケティングは、おかしな輩達に都合の良い間違った思い込みが刷り込まれていることが多く、そのため、致命的な誤りは、その都度、その誤りを払拭しなければならない。

前述では、マーケティングとセールスにおいて、意図的に刷り込まれた誤りを指摘し、是正したが、今回は、ポジショニングとブランドについて述べることにする。

そもそも「ブランド」とは、何だろうか?

たとえば、「ハーゲンダッツ」、「レディーボーデン」… と、アイスクリームをイメージすれば、すぐに判ると思う。

ハーゲンダッツなら、少し高級感のある美味しいアイス、レディーボーデンなら、大衆向けのお得な美味しいアイスといったイメージが湧くと思う。

つまり、顧客のどんなニーズを満たすのか? というイメージにタイトルをつけた物がブランドである。

では、なぜ、「ハーゲンダッツ」と「レディーボーデン」が同じアイスクリーム市場で共存できるのか?

それは、市場で満たしているニーズが違うため、客層が違うのである。つまり、どんな顧客を対象にするか? これが、ポジショニングである。

最近、「個人をブランディングする」という、おかしな刷り込みがある。

しかし、そのような、「個人をブランディングする」という、デタラメな刷り込みは、仮に、「個人」=「製品」ということに成功しても、何度も言うように、スモールビジネスが失敗する最大の理由は、人を製品の一部にしてしまうことであり、統計的に見ても、5年以内に破滅の道を歩むだけなのである。

そもそも、このようなおかしな言動や妄想は、ビジネスを組織的に成長させた成功体験のない人物の戯言だ。

さて、今回の本題に入るが、現在、フランチャイズビジネスは、大きな転換期を迎えている。

従来型のフランチャイズビジネスの特徴は、いつでもどこでもマクドナルドのように、同じ商品とサービスを提供するのがフランチャイズビジネスの特徴であったが、特にレンタカー市場においては、その限りではない。

レンタカーのフランチャイズは、低価格と購入方法で出来たブランドを顧客に保証し、それ以外は、加盟店に任せるという新たなルールのフランチャイズビジネスが静かに成功し出している。

その代表格が、ニコニコレンタカーだ。同社は、売れ筋の車種が、12時間までなら2525円という激安価格を顧客に提供する。

だが、それ以外は、加盟店任せで、加盟店同士が個々に加盟店の特徴を活かした差別化を行っている。

加盟店にはガソリンスタンドが多く、それ以外に、車に関連した事業を行っている企業が加盟している。

つまり、従来のフランチャイズ加盟店は、全てがフランチャイズ本部のシステムとルールに縛られた経営を行っていたため、地域によっては、順応しづらかったが、そういったところが加盟店の自由競争に任されたフランチャイズなのである。

たとえば、加盟店が車種やカーナビなどのオプションをつけるかまで選ぶことができるのである。

そして、フランチャイズ本部が行うことは、加盟店への集客と顧客への価格の保証だけである。こうして、業界ナンバーワンの安値を実現している。

つまり、これからのレンタカーのフランチャイズビジネスは、ブランドと集客をフランチャイズ本部に任せ、加盟店は、自社の自由な采配で差別化を図って、市場のどのようなポジションで競争を行うかを決めることができるのである。

こういった、レンタカーのフランチャイズ加盟店同士の自由競争が進み、車は買うより借りた方が安いとなれば、今後、中古車市場や新車の市場にも大きな脅威となるだろう。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月22日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(30) 「事業モデルの7つのルール」(6) マーケティング事例 焼きたてパンの自動販売機

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(30)
「事業モデルの7つのルール」(6)
マーケティング事例 
焼きたてパンの自動販売機






書店のビジネス書コーナーへ行くと、マーケティングを謳ったセールス本が、山積みとなって、うんざりするほど溢れ返っている。マーケティングは、どうして、これ程までにセールス(販売活動)とすり替えられるのだろうか?

また、タイトルはマーケティングだが、それらの本に目を通すと、販売サイトの作り方、SNSの運用方法、動画広告の作り方などといった内容で、何らマーケティングに関係のないものまである。

では、いったい、マーケティングとは何か?

マーケティングとは、顧客のニーズを満たすために行われる行為のことだ。

決して、商品やサービスを売る方法(セールス(販売活動))ではない。また、上手くいく儲け話でもなければ、見込み客や顧客を集めること(集客)もマーケティングではない。

そもそも、見込み客や顧客を集めるのは、企業が提案する製品の価値が見込み客や顧客を集めるのであって、プロモーションやマーケティングがそれを行うのではないのだ。

たとえば、マーケティングを理解するための非常にわかりやすい例として、フランスには、「3分待つだけで、焼きたてのフランスパンが買える自動販売機」がある。

この自動販売機は、顧客の「今すぐ焼きたてのフランスパンが食べたい」というニーズを満たすための自動販売機である。

決して、自分のお店にあるフランスパンをどうやって売るか? といった「商品ありき」の発想や仕組みなどではない。

このように、マーケティングとは、「顧客のどのようなニーズを満たすのか?」という、「ニーズありき」で思考されるものである。そして、その結果として、商品やサービスが売れるのである。

また、もう一つ、マーケティングの大きな勘違いに、マーケティングが「ニーズ」を創造するという勘違いがある。

そもそも「ニーズ」とは、人が生まれ持った欲求のことであり、マーケティングが「ニーズ」を創造するなど、ありえない話だ。

ところが、セールス(販売活動)とマーケティングを混乱すると、このような勘違いをしてしまうのである。

マーケティングとは、「今ある顧客のニーズを満たすこと」なのだ。そして、「顧客のニーズを満たす」ために、ビジネスの「ルール」を決め、「システム化」することで成長する事業モデルが創造されるのである。




ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月20日火曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(29) 「事業モデルの7つのルール」(5) 成長するスモールビジネスの「ルール」の創り方

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(29)
「事業モデルの7つのルール」(5)
成長するスモールビジネスの
「ルール」の創り方





スモールビジネスが倒産の危機や無政府状態な混乱から脱却し、成長するためには、事業モデル(試作モデル)を創り、事業モデル(試作モデル)が円滑に機能し、成長することが必要である。

そして、そのためには、起業家(社長)自らが創造した「ルール」が会社そのものになるように創らなければならない。

何度も言うが、スモール―ビジネスは、「会社」=「社長(人)」となるが、こうなることが全ての混乱の原因なのである。

「会社」=「ルール」となり、その「ルール」が市場にいる自社の顧客のニーズを満たすために定めた「ルール」であり、その「ルール」を実現する方法が「システム」となるように自社の事業モデル(試作モデル)を起業家(社長)自らが創り、成功させない限り、無政府状態の混乱から抜け出すことはないのだ。

では、その「ルール」は、どのようにして創れば良いのか?

「ルール」を創る時は、会社を取り巻く環境に対して、「顧客」、「財務」、「人事」、「マーケティング」…と、中小企業診断士的に分類して、個々にルール創りをしても良い。

また、内部環境、外部環境と大きく2分して、MBA的に「ルール」を決めても良い。

あるいは、スモールビジネスのカリスマ経営コンサルタント一倉定先生に指導を受けた起業家なら、「環境整備」、「顧客第一主義」…と、分類して、その内容を外部に提出することのない「経営計画書」にまとめても良い。

ただし、これらに共通して言えることは、あくまでも、「ルール」を決めて、「システム化」する時に、特定の人の特別な能力を当て込んだ「ルール」や「システム」を創ってはならない。

いかなる業界においても、アルバイトの高校生がマクドナルドでハンバーガーを創る時のように、誰がやっても同じような結果が期待できる「ルール」と「システム」にしなければ意味がないのである。

特に、一倉定先生に指導を受けたスモールビジネスの起業家(社長)は、気負つけて欲しい。

一倉流「経営計画書」では、「○○は専務に相談する」とか、「○○は社長がする」といった内容が沢山あるが、「あの仕事は、専門知識のある専務しかできない」とか、こういった問題は、「社長の温厚な人柄で解決する」といった、個人のパーソナリティーを当て込んだものであってはならない。

あくまでも、誰がするかではなく、どのような方法で解決するか? という「システム」や「ルール」でなくてはならないのだ。

さて、今回は、「マイケル・E・ガーバー」の起業家成功プログラムに沿ってスモールビジネスの起業家がどうすれば良いか? という内容で話を進めているので、マイケル・E・ガーバーが提起した「7つのルール」を紹介する。

マイケル・E・ガーバーが提起した「7つのルール」とは、

1 リーダーシップ
2 マーケティング
3 顧客満足
4 見込み客の創出方法
5 見込み客を顧客にする方法
6 財務
7 マネジメント

以上の7つの項目に対してルールを決めて、システム化することで、事業モデル(試作モデル)を創出する。

また、見ての通り、2~5は、マーケティングに関するルールである。このことからしても、企業にとって、マーケティングが、いかに重要かということが分かると思う。




ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月19日月曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(28) 「事業モデルの7つのルール」(4) 2代目社長のバカ息子、バカ娘の過ち?(3)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(28)
「事業モデルの7つのルール」(4)
2代目社長バカ息子、バカ娘の過ち?(3)






以前、紹介したが、ピーター・F・ドラッカーは、「真のリーダーとは、特別なカリスマ性を持った人物でもなく、やりたいことをやる人物でもない。「必要」なことに集中する人物である。」と言った。

実は、このことが、倒産寸前のスモールビジネスを窮地から救いだし、V字回復させる、事業モデル(試作モデル)を創るために必要な第一歩となるのである。

つまり、ピーター・F・ドラッカーが言うように、あなたは、「職人」(やりたいこと)を卒業し、「起業家」(必要なこと)に集中しなければ、事業の試作モデルは創れないのである。

前述の2代目社長なら、「職人」を卒業して「起業家」に集中することで、事業モデルを創出し、倒産寸前の会社をV字回復させたのである。

では、彼は、どのようにして、倒産寸前の会社をV字回復させたのか?

彼がしたことは、彼が考案した「システム」と「ルール」を実行することで、従来の品質を保証した上で、「価格」と「納期」を従来の70%にすることを顧客に約束したのである。

今まで、顧客と印刷会社が別々に同じ作業をしていたことを、彼が考案した「システム」と「ルール」によって、「デジタル化」させることで、「無駄な作業や時間」をなくし、品質を下げずに「コスト」を下げて、「納期」を短縮することに成功したのである。

ここで、特に注目しなければならないのは、“「無駄な作業や時間」をなくし、品質を下げずに「コスト」を下げて、「納期」を短縮すること”である。

これは、何を意味しているか? これが、実現すべき事業システム(試作モデル)の「ルール」なのである。

そして、このルールを実現するために「デジタル化」が行われたのである。

つまり、事業システム(試作モデル)を創るルールとは、「今すぐ辞めることを決めること」なのだ。

そして、システムとは、「そのルールを実現する方法」なのである。

従って、事業システム(試作モデル)を創る時に初めにすることは、「今すぐやめるべきことは何かを決めること」なのである。

この重要な判断について、ピーター・F・ドラッカーは、次のように短く語っている。

「事を始めるにあたって重要な事は、何を始めるかではなく、何をやめるかを決めることだ。」

重要な決断とは、まず、初めに、「やらないことを決めること」なのだ。




ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(27) 「事業モデルの7つのルール」(3) 2代目社長バカ息子、バカ娘の過ち?(2)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(27)
「事業モデルの7つのルール」(3)
2代目社長バカ息子、バカ娘の過ち?(2)





スモールビジネスが成功しない理由に、親子間の事業継承の問題がある。親子共々に「職人」としてしか働いた経験がない場合、親子喧嘩の末、子供が親の会社の多額の借金の連帯保証人となって会社を去り、その後、事業が倒産するといったケースがある。

私が知る範囲でも、このケースで倒産するスモールビジネスを見たが、だが、極めて稀なケースだが、持ち直し、上手く行く時がある。

それは、事業の試作モデルを創り、試作モデルが成功する時である。だが、その場合においても、親子で新規事業が軌道に乗るまで、お互いに協力することが前提となる。

そのためには、子供が時流に沿った何らかの技術があったり、親が猛省し、子供を呼び戻すことができるなど、様々な障害があり、成功することは極めて稀である。

個別具体的なことは避けるが、概略的にその例を紹介する。

ある印刷会社での事だった。印刷業は現在でも斜陽産業だが、その当時も毎年、需要がどんどん減り、主要な客先となる出版業や広告代理業も、相次ぐ倒産劇を繰り広げていた。

そんな中で、星の数ほどある印刷会社の淘汰が急激に進んでいた。

数多くの印刷会社が生き残りをかけて、安売り競争を激しく行っていたが、その印刷会社の力では、価格競争が行えるような力はなく、競争見積もりに参加しても、受注は、到底、見込めないのである。

ところが、ある仕事がきっかけとなり、突然、光がさしたのである。

当時、印刷業界では、ウインドウズのオフィスやCADソフトで作ったデーターは、印刷物を作るためのデーターとしては、そのまま使えず、印刷物を作るためには、プリントアウトしたものを見本にして、同じ内容のものを印刷物用に作っていたのである。

たとえば、業務マニュアルを作るなら、とりあえず、顧客がウインドウズのワードで作った業務マニュアルをプリントアウトして、そのプリントアウトした資料を見本として印刷会社に渡し、印刷会社では、その見本を元に、文字入力するところから始めて、マニュアルを作るのである。

今となっては、信じられない作業だが、このようなことをして、160ページくらいで、たった200冊程度のマニュアルを2ケ月程度の時間をかけて、高額な料金を顧客は払っていた。

その印刷会社では、たまたま、こんな仕事を受注したことをきっかけに、会社が劇的に変わったのであった。

また、このタイプの仕事は、この会社にとって、非常に都合がよく、大手が参入して来る心配はなく、同じことができる競合他社もほとんどいなかったのである。

その上、利益率も良く、顧客に既存価格の70%で販売しても、大手の印刷会社の下請け仕事をする時の3倍以上の利益が見込めるのである。

このことに気づいた、その印刷会社の2代目社長は、このタイプの仕事を標準化して、ほぼフルデジタルで社内だけで制作出来るようにし、顧客には、品質を保証した上で、価格、納期を、従来の70%で実現することを約束したのである。

当時、こうすることで、競合他社はいなくなり、暫く独占状態が続いていた。しかもさらに幸運なことに、この噂を聞きつけた新規顧客が自動的に増えだしたのである。

そして、この成功を元に、この2代目社長は、事業の試作モデルを創り、成功させ、虫の吐息だった会社をV字回復させて、新たな高収益体質の会社へと変貌させたのだった。

では、なぜ、この2代目社長は、こんなことができたのだろうか?




ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月17日土曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(26) 「事業モデルの7つのルール」(2) 2代目社長 バカ息子、バカ娘の過ち?(1)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(26)
「事業モデルの7つのルール」(2)
2代目社長 バカ息子、バカ娘の過ち?(1)





スモールビジネスが成功しない理由に、「ルール」と「システム」がないという理由以外に、もう一つ厄介な理由がある。それは、事業継承の問題である。

この話題は、敵を増やすだけなので、できれば、「経営指南書を読んでくださいね!」と、優しく言って、この話題に触れたくないのだが、頻度の高い現実的な問題なので、この話題について触れる。

スモールビジネスの事業継承は、親が起業して、子供が事業を継承するというパターンがほぼ100%である。

そして、初めのうちは、親が社長を退任する時は会長職となり、会社の財布を握り、子供は、親が始めた事業を成功させようと、職人社長として頑張るのだ。

事業規模が5人以下くらいなら、このパターンでも運が良ければ継続できるが、それ以上の規模になって来ると、「ルール」と「システム」がないという理由以外に大きな問題にぶつかる。

それは、親子共々に、「職人」としてしか働いた経験がないため、一つの問題が起きると、2つの答えが用意されることになるのだ。

そして、この「2つの答え」が徐々に2人の間の溝を拡げる。

初めのうちは、小さな口喧嘩から始まり、そして、最後には、会社の財布を握った会長が社長を追い出しにかかる。

そして、社長の追い出しに成功すると、会社には創業時の番頭以外は誰もいなくなり、また、ゼロからやり直しになる。

会長が猛省し、運よく社長を呼び戻したとしても、二人の間にできた溝は埋まるどころか広がる一方で、そして、また、同じことを何度も繰り返す。

そして、社長は、会長が欲しがって勝手に買ってしまった「オモチャ」と「借金」の多額な連帯保証を抱え、二度と会社に戻ることはなくなり、その後、会長の老いとともに、会社は倒産の危機を向かえるのである。

この場合、既に打つ手はないのである。

では、こういった場合、どうすれば良かったか、あなたは、想像がつくだろうか?



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(25) 「事業モデルの7つのルール」(1) カリスマ経営コンサルタント一倉定の限界

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(25)
「事業モデルの7つのルール」(1)
カリスマ経営コンサルタント一倉定の限界






スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか? それは、事業をコントロールする「ルール」を「システム化」しないまま起業してしまうため、仕事にコントロールされて、その奴隷となってしまうのが、スモールビジネスが上手く行かない最大の理由である。

話は少し変わるが、日本には、昭和から平成にかけて、スモールビジネスの経営者を指導するカリスマ経営コンサルタントと言われた人物に、一倉定という経営コンサルタントがいた。

確かに、彼は優れた経営コンサルタントだった。特に、一倉定の教えで最も優れた点は、スモールビジネスの経営者に、事業をコントロールするルールとは何かをスパルタ形式でスモールビジネスの経営者へ叩き込んだ。

そして、当時、スモールビジネスの経営者に「事業をコントロールするルール」を教えられる経営コンサルタントは、一倉定、ただ一人であった。

それ故に、一倉定は、カリスマ、あるいは、孤高の天才経営コンサルタントとまで言われた。

そして、一倉定の洗礼を受けたスモールビジネスの多くは、瀕死の状態から脱却し、息を吹き返した。

だが、一倉定の指導後、大きく成長した企業は、ほとんどないのである。

それは、なぜだろうか?

一倉定が教える「顧客戦略」とは、次のような内容である。

「顧客を創るのは社長の仕事である。従って、社長が定期的に顧客の表敬訪問を欠かすことなく行うことで、顧客を創造し、顧客との関係を維持することができる。従って、企業の運命は「社長」次第である。」

確かに、その通りだ。ただし、この考え方と行動は、実際のところ、事業規模が、従業員数が20人くらいまでの規模のスモールビジネスでないと機能しないのだ。

この考え方では、社長の物理的な限界が会社の限界となってしまう。

事業の「寿命」は、「顧客を見つけ出し、顧客との関係を維持する能力」で決まる。

しかし、それが、社長の表敬訪問回数で決まるような「ルール」にしてしまうと、社長の物理的な限界が会社の限界となってしまう。

つまり、この「顧客戦略」は、短期的にスモールビジネスが瀕死の状態から息を吹き返すのがゴールであり、会社が中長期的に成長する戦略ではないのだ。

成長しないことを前提にした事業計画であれば、この方法でも良いが、成長することを前提にした場合、次のように書き換える必要がある。

「顧客を創るのは社長の仕事である。従って、社長が誰もが訓練によって習得できる「顧客を創造し、顧客との関係を維持する」ことができる「システム」と「ルール」を創れるかが会社の運命を決める。」

このようにすれば、スモールビジネスが「青年期」から「成熟期」へと向かうようになるのだ。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月15日木曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(24) 「ビジネスのパッケージ化は、試作モデルから始める」(3) 試作モデルを創るはじめの一歩とは?


スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(24)
「ビジネスのパッケージ化は、
試作モデルから始める」(3)
試作モデルを創るはじめの一歩とは?






ビジネスの試作モデルは、「他人に任せても上手く行く仕組み」によって、あなたが始めた事業が上手く行くようになることがゴールである。

そこで、試作モデルを創るにあたって、最初に始めることは、あなた「個人の人生」と、あなたが始めた「事業」は、全く別物であることを自覚しなければならない。

事業とは、それ自身が目的とルールを持っている「独立した生き物」であって、決してあなたの一部ではない。

「事業」が「独立した生き物」である以上、そこには、「事業」そのものが持った、「生命力の強さ」、つまり、「顧客を見つけ出し、顧客との関係を維持する能力の強さ」によって、事業の「寿命」が決まる。

つまり、あなたが創造した事業の「寿命」は、「顧客を見つけ出し、顧客との関係を維持する能力の強さ」によって決まるのである。

この「顧客を見つけ出し、顧客との関係を維持する能力」を、他人に任せても発揮できる道具が試作モデルでなければならないのだ。

では、そうなるためには、まず、何が必要なのか?

それは、「顧客のニーズを満たすためのルール」をシステム化する必要があるのだ。

そして、そのシステムによって、あなたが仕事に支配されて、コントロールされる奴隷のような立場から、あなたを開放するのである。

つまり、試作モデルは、「顧客のニーズを満たすためのルール」創りから始めるのだ。

学校には、校則があり、会社には社則があり、地域には条例があり、国には法律がある。そして、ルールのない社会には、アナーキーな混乱しかないのである。

ここまで、私の話を聞いたあなたは、もう、気づいたはずだ。

あなたが、あなたの作った事業の奴隷になった理由は、あなたは、事業をコントロールするルールをシステム化しないまま、スモールビジネスを起業してしまったのである。

そして、仕事にコントロールされて、その奴隷となってしまったのだ。

試作モデルを創る、はじめの第一歩は、「顧客のニーズを満たすためのルール」創りをし、そのルールをシステム化することから始めれば良いのだ。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(23) 「ビジネスのパッケージ化は、 試作モデルから始める」(2) マイケル・E・ガーバーより


スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(23)
「ビジネスのパッケージ化は、
試作モデルから始める」(2)
マイケル・E・ガーバーより





起業家にとってビジネスの試作モデルは、自分の夢を形にする手段である。マネージャーにとっては、ルールが決まり、計画や管理がしやすくなる。そして、職人にとっては、自分が得意な分野の仕事に打ち込むことが可能になる。

ビジネスの試作モデルがあることで、スモールビジネスのオーナーは、起業家、マネージャー、職人の三つの人格のバランスを取りながら、ビジネスを創り上げることができるのである。

そして、スモールビジネスが倒産という恐怖から解放され、明日に希望が持てるようになるためには、この試作モデルを一日も早く完成させて、実用化できるようになることが必要だ。

ところで、ビジネスのシステム化に成功して、一流企業として大きく成長した企業には、マクドナルド以外にも、ディズニー、サンドイッチのサブウェイ、ドミノピザ、ケンタッキー・フライドチキン、セブンイレブン・・・ と、例を挙げれば、きりがないくらいある。

試作モデルを創る時は、ゼロから考案してもいいが、既に、こういった成功している企業のビジネスモデルを改良して取り入れることもできる。

たとえば、音楽教室のビジネスモデルは、学習塾のビジネスモデルとほとんど同じである。

こういったことが分かれば、音楽教室をはじめるために、学習塾の業界を調べて、優良企業の上位3社くらいのビジネスモデルを研究して、自社の音楽教室の試作モデルのひな型にすることができる。

あるいは、学習塾が音楽教室のビジネスモデルを取り入れて試作モデルを創ることも、ビジネスモデルの親和性から、容易にできる。

また、試作モデルは、参考にする企業がフランチャイズの形をとっていなくても良い。

なぜなら、あなたの周りで成功している会社は、必ず、独自に完成度の高い運営システムを持っているからだ。

それは、それらの成功している企業を見れば明らかで、彼らが持っている独自の運営システムによって、様々な場所で、既に成功している。

さて、あなたが実際に試作モデルを創る時には、次のような疑問が浮かぶはずだ。

どうやって、自分の事業の試作モデルを創るのか?
どうやって、試作モデルを成功させるのか?
どうやって、安定的な利益を上げるのか?
どうやって、他人に任せても上手く行くような仕組みを創るのか?

このような疑問が浮かぶはずだが、スモールビジネスにとって、最後の疑問が特に重要なのがお判り頂けるだろうか?

なぜなら、他人に任せることが出来ない限り、あなたは、また、自分が始めた事業の奴隷になってしまうからだ。

逆に言えば、これらを解決するようなアイディアが実行できれば、あなたは、自分が始めた事業の奴隷になることなく、成功への道が開けることになるのである。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



2014年5月14日水曜日

スモールビジネスは、 なぜ、成功しないのか?(22) 「事業のパッケージ化は、 試作モデルから始める」(1)

スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(22)
「事業のパッケージ化は、
試作モデルから始める」(1)






スモールビジネスを成功に導くカギは、「事業のシステム化」を行い、自社の事業モデルを創ることから始まる。そのためには、正しいマーケティング知識が、どうしても必要だ。

そして、正しいマーケティング知識を理解するために、企業の「強み」に焦点をあてて、何回かに渡り、マーケティングの重要性について語った。

念のため、繰り返し言うが、企業の「強み」とは、決して経営者の「自慢」や「願望」や「妄想」ではない。

企業の「強み」とは、その企業の製品が、なぜ、売れるのか? という「売れる理由」のことである。

また、優れたマーケティングは、セールスを必要としなくなるのだが、ほとんどのスモールビジネスの経営者は、そのことを全く知らない。

そして、毎日、顧客に押し売りのセールスを行うことで、混乱を繰り返し、いつの間にか、それがスモールビジネスの特徴だと思うようになる。

しかし、それが破滅への道を歩むことになるのだ。

前述した、キャサリンなら、もともとキャサリンは、プロのジャズ歌手が仕事といえる状態ではなく、どこにでもあるような、巷に溢れる音楽教室の歌の先生がキャサリンの本当の仕事であった。

ところが、キャサリンは、現実を受け入れずに、月に1~2度、場末の3流ジャズクラブで素人と変わらない力量でジャズを歌うことで、自分をプロのジャズ歌手だと自分に思い込ませ、自分の「自慢」や「願望」や「妄想」を実現しようとしていた。

そして、そのコンプレックスを市場価格の3~4倍近い授業料に転化して、生徒に押し売りをしているのである。

そんなことを何も知らない顧客(生徒)は、キャサリンのコンプレックスを癒すためにバカ高い授業料を払わせられている被害者なのだ。

当然、そんな身勝手なことをしていれば、いずれは、猛省して、負の連鎖を止めることから始めなければならない。

ところが、キャサリンは、そのことに薄々気づいてはいるが、現実を受け入れることを拒否したのである。そして、場末の飲み屋を彷徨するゾンビとなって、破滅する道を自ら選んだのだ。

ところで、キャサリンのような、スモールビジネスの青年期に存在するゾンビが、「事業のシステム化」を行い、自社の事業モデルを創ることができるだろうか?

答えは、ノーである。

なぜなら、事業をシステム化するには、正しいマーケティング知識を理解する必要があるからだ。

マーケティングの目的は、市場の顧客のニーズを満たすことである。

そのために、市場に存在する顧客にどんなニーズが存在するか、情報を収集して、収集した情報から自社をどのように変えて、どのようなニーズを満たすかを特定しなければならない。

つまり、マーケットリサーチをして、顧客のニーズを特定し、そのニーズを満たすために自社を創り変えるのだ。

そして、そのニーズを満たすための仕組みが、事業のシステム化なのである。

しかし、スモールビジネスの青年期のゾンビにとって、顧客とは、自分の欲望を満たすために支配しなければならない、やっかいな奴隷にすぎないのである。

こんな、死を目前にして、何も知らない人を地獄に道連れにしようとする悪魔の策略に騙されてはならない!

創業後、1年以内に廃業する会社は、全体の40%に達する。そして、5年以内なら80%の会社が廃業している。

しかし、事業のシステム化をした企業は、創業後1年以内なら5%、5年以内でも25%の会社しか廃業していないのである。

これだけの高い確率で事業をシステム化することが、会社を成功させるのは、ある理由があるのだ。

その理由とは、事業をシステム化する時に試作モデルを創るという考え方を取り入れたからである。

試作モデルを創ることで、起業家のアイディアが練り上げられて、事業が成功する確率が高められるのである。

また、試作モデルは、起業家のアイディアがどのくらい有効なのかを、机上の空論ではなく、市場でテストするため、そのテストに合格するまで繰り返される。

そうすることで、さらに成功する可能性を高めることが可能になる。

そして、「顧客が望むものを提供しながら、どのようにして収益を確保するのか?」という、このお決まりの質問に対する答えが、試作モデルだ。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ

2014年5月12日月曜日

スモールビジネスは、なぜ、成功しないのか?(21) 「自社の強みとは何か?」(3) 青年期のゾンビ 自称プロ歌手キャサリンの過ち

スモールビジネスは、

なぜ、成功しないのか?(21)

「自社の強みとは何か?」(3)

青年期のゾンビ

自称プロ歌手キャサリンの過ち





自社の「強み」(製品が売れる理由)を知ることは、簡単にできる。しかし、なぜか、ほとんどのスモールビジネスの経営者は、無意識のうちに、その理由を知ることを拒否するのである。そして、売れる理由を知り、変化を受け入れるより、倒産することを選ぶのである。

なぜ、スモールビジネスの経営者は、そんなに自社の強み(製品が売れる理由)を知ることを拒否するのだろうか?

ここで、重要な登場人物、キャサリンの例を紹介する。

キャサリンは、プロの歌手になりたくて、昼間は音楽出版社でアルバイト、夜は週に1度、ロック歌手として、ライブハウスを中心に音楽活動をしていた。

そして、長年の地道な活動が認められ、マイナーレーベルだが、CDを販売することをきっかけにアルバイトをやめて、キャサリンは、プロのロック歌手としてデビューした。

ところが、CDはほとんど売れず、短期間で廃盤となり、ライブにもほとんどお客さんは集まらず、短期間に廃業の危機に追い込まれた。

困り果てたキャサリンは、生活のため、ライブハウスや関連の飲食店でアルバイトをしながらも、今度はジャズ歌手を目指すようになった。

キャサリンは、もともと真面目な性格であったため、時間はかかったが、無駄遣いをせずにお金をためて、今度は、自分の音楽教室を開業して生活の糧を得ながらもプロのジャズ歌手を目指すようになった。

そして、運が良かったのか、ロックがブームとなり、キャサリンの音楽教室にも生徒が集まりだし、生活の目処がたつようになって来た。

しかし、キャサリンはプロのロック歌手として成功できない程度の力量しかないのに、プロのジャズ歌手として成功できるはずがないことを見落としていた。

そして、ロックブームが去ると生徒は激少し、もともとジャズ歌手としても仕事がほとんどないため、また、窮地に追い込まれることとなった。

そして、知人の紹介で、キャサリンから相談に乗って欲しいと連絡が来た。

「キャサリン、君の仕事のポジションは、音楽教室の先生? それとも、プロのジャズ歌手?」

「失礼ね! 「プロのジャズ歌手」に決まっているでしょ。そんなことより、どうすればいいかが知りたいのよ。

音楽の事は、あなたは素人だから何も分からないと思うけど、私は音楽学校も経営しているし、プロのジャズミュージシャンとしてもCDを販売しているから、それなりに知名度もあるし、成功しているわ。

私が知りたいのは、どうすれば、儲かるかを知りたいのよ。プロのジャズミュージシャンとして、実力は問題ないはずよ。」

私は、正直、この時点でキャサリンに全く可能性がないことを思い知らされたが、知人の紹介もあったため、知人の顔を立てるために質問を続けた。

「キャサリン、君の音楽学校の強みを教えてくれないかな?」

すると、キャサリンは目を爛々とさせて話を始めた。

「そうね、自分で言うのも照れるけど、ジャズ歌手としてジャズボーカルを教えているけど、本格的なボイストレーニングのレッスンも出来るわ。

それと、ボーカリストでピアノの伴奏ができたり、音楽理論を教えられる人は、ほとんどいないけど、 私は、その両方できるわ。

それから、CDも販売しているし、メジャーデビュー実績もあるし、ボーカルの教則本も出版しているから、狭い世界だけど、それなりに知名度もあるわ。」

私は、長年、ジャズを愛好していて、しかも、趣味でサックスを吹く。私の先生がたまたま、世界的なプレーヤーで、その関係で、私は多くの一流のジャズミージシャンとも交流がある。

キャサリンというジャズ歌手の存在を知ったのは、今回、知人から紹介された時が最初だった。しかも紹介を受けた知人は、ジャズとは全く無縁である。

「キャサリン、ビジネスで言う強みとは、「製品が売れる理由」のことなんだ。

だから、君が想像する君の優れた点ではなく、君の顧客が、なぜ君の授業を買うのか?という理由が知りたいんだ。

しかも、君の授業料は、相場の4倍もするよね。どうして、そんなバカ高い価格でも君に授業料を払って歌を習いたいのか、その理由が知りたいんだ。」

こう質問すると、キャサリンは顔色が変わり、今度は、自分が如何に歌のピアノ伴奏が上手く、プロのジャズピアニストと変わらない実力があるかという話を始めた。

キャサリンは、私の言うことは頭では理解したが、受け入れることができないようである。私は、再度、同じ質問を違った切り口から伝えた。

「キャサリン、生徒に聞かないと事実は分からないけど、もし、君の生徒のみんなが、君の授業を買う理由が、「ピアノの伴奏が上手いから」と言うなら、君の商品は、歌の授業ではなく、歌の伴奏が商品なんだよ。」

こう言うと、キャサリンは顔色を変え、怒りにまかせて、捨て台詞を吐いた。

「すみません。もう私には手に負えませんので、他のコンサルタントをあたります。お手数をおかけして申し訳ありませんでした。」

キャサリンとは、これっきりとなった。

自社の「製品が売れる理由」を知るには、

1 顧客は誰か?
2 競合他社は誰か?
3 自社は、顧客のどんなニーズを満たしているか?

この3つを知る必要がある。 キャサリンの場合、

1 顧客は誰か? → 興味がない!
2 競合他社は誰か? → 歌手のレッスンプロを目指す素人。
3 自社は、顧客のどんなニーズを満たしているか?
  →プロのジャズ歌手になりたい人の伴奏

である。

そして、キャサリンの強みは、ブームに乗れて、「運が良かった」である。

起業家であるはずのキャサリンが最も興味を持たなければならないのは、顧客だ。


しかし、キャサリンは、自分にしか興味がないのである。



ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略



マーケティング・経営 ブログランキングへ