スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(34)
ビジネスモデルを創る ステップ(3)
差別化(2)
スモールビジネスの「差別化」について見て行こう。
企業が競合他社と「差別化」(改善)をする目的は、競合他社の製品を買うか、あるいは、どの企業の製品を買おうか迷っている顧客が、自社の製品を買うようになるために「差別化」(改善)を行う。
あたりまえの話だが、仮に、市場に競合他社がいなければ、「差別化」(改善)そのものが存在しない。
だが、最強の差別化(改善)とは、競合他社がいない市場を創造することなのだが、現実には不可能である。
しかし、自社を「差別化」(改善)する時に、競合他社が真似できないか、真似しない(特殊なニーズのための差別化)「差別化」を行うことで、市場で自社が独占的に競争優位になることは可能である。
分かりやすい例として、たとえば、PCの市場なら、ウインドウズ系が全体の75%、ユニックス系が12%、アップル8%、その他5%とすれば、スモールビジネスが狙う市場は、その他5%の市場である。
この市場全体の95%の「差別化」は、大きな資本力を母体にした企業だけにできる「差別化」であって、スモールビジネスのほとんどが、市場全体では、たった5%の市場の中での「差別化」を行って競争を行うことになる。
このように、スモールビジネスの「差別化」とは、市場全体で大きな資本力を母体にした企業が見放した、小さな市場で「差別化」できてこそ、事業の継続と成長が成り立つのである。
また、そういった5%の市場の典型的な特徴は、「短納期」で「売上額が小さな仕事」であったり、あるいは、「特殊な技術」が必要で、「汎用性がない仕事」である。
スモールビジネスは、こういった、やっかいな特徴をもった市場で競争することを前提にした「差別化」でなくては、現実問題として、ニーズのない「差別化」になってしまう。
なぜなら、市場全体の95%の市場で競争しても、企業の資本力だけでも競争にならないが、どこの誰だかわからない無名の小さな会社の商品やサービスは、誰も買いたいとは思わないのである。
そして、自社を「差別化」(改善)する時は、
1 市場にいる競合他社の魅力を自社に取り込む
2 競合他社にない魅力を創出する
3 1、2の両方を行う
の3つの方法がある。
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