スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(36)
ビジネスモデルを創る ステップ(5)
売上計画の考え方 水漏れするバケツ(1)
スモールビジネスの売上計画について見て行こう。
売り上げを増やしたい時に、「まず、最初にどんな顧客から始めるのか?」と質問すると、ほとんどのスモールビジネスの経営者は、どこの誰だか判らない「新規顧客」と答える。
あるいは、ビジネスを始めたばかりなので、顧客は、まだ、よく分からないと言う。
だが、的のない矢は、当たらないのである。
市場には、強力な競合他社がひしめき、放っておくと、あなたの会社は、水漏れするバケツになるだけで、何かを改善しなければ、直ぐに自社の顧客が枯渇するのが市場の競争原理なのである。
まず、最初にフォーカスするのは、競合他社である。あなたの顧客を奪っていく競合他社にフォーカスするのだ。
ビジネスを始めたばかりで、顧客がいないのなら、今すぐ競合他社は、誰なのか決めなければならない。
ところで、競合他社に関しても、スモールビジネスの経営者は、多くの勘違いをしていることが多い。
競合他社とは、顧客が、製品(商品・サービス)を買う時に、あなたの会社と比較する相手だ。
決して、あなたが目標にしている会社でもなく、あなたが競争したい会社でもない。
ところが、多くのスモールビジネスの経営者は、「御社の競合他社は誰ですか?」と質問すると、業界や地域で有名な企業の名を挙げることが多い。
企業間の取引なら、競争見積もりに参加する同業他社が競合他社だ。地域商売なら、商圏にいる同業他社である。
そして、誰と戦えるのか? を明確にしなければ、何も始まらないのだ。
また、誰と戦えるかは、あなたが決めることではない。顧客が決めることなのだ。あなたの会社の評価は、あなたが決めるのではなく、顧客が決めるのだ。
だからこそ、あなたは、あなたの会社のポジショニングを明確に決めて、顧客のどのようなニーズを満たすか明確にする必要があるのだ。
この、自社のポジショニングが曖昧だと、競合他社が誰か分からなくなるのである。そして、勝てない相手に戦いを挑み、あえなく撃沈するのである。
競合他社が明確になれば、あなたの会社と競合他社のマーケティングの7Pを比較することで、あなたの会社の「強み」(売れる理由)、「弱み」(競合他社の製品が売れる理由)が明らかになる。
そして、この自社の「強み」と「弱み」が分かってこそ、初めて売上計画が見えてくるのである。
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