スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(17)
「事業のパッケージ化」
マイケル・E・ガーバーより
「事業のパッケージ化」とは、初めて聞く言葉かもしれないが、この考え方は、スモールビジネスに大きな影響を与えてきた。
「事業のパッケージ化」をひとことで言えば、収益を生み出す事業を定型化して、パッケージにしてしまうということだ。
このパッケージさえ上手く活用すれば、倒産寸前のスモールビジネスが息を吹き返すばかりでなく、成長さえ始めるようになる。
さらに、都合のよいことに「事業のパッケージ化」は、会社の大きさや業種に関係なく威力を発揮する性質さえ持っている。
そして、このアイディアの原型となったのは、マクドナルドである。マクドナルドがあれだけの世界規模で成功を収めたのは、この「事業のパッケージ化」に成功したからである。
1952年、52歳の男がカルフォルニア州のあるハンバーガーショップを訪れた。
彼は、ミルクシェイクを作る機械のセールスマンだった。
機械を売り込もうと足を踏み入れた店で、彼は、奇跡のような光景を目にすることになる。
この店こそが、マクドナルド兄弟が経営するハンバーガーショップであり、この52歳のミルクシェイクを作る機械のセールスマンがマクドナルドの育ての親となったレイ・ロックだ。
彼の目に映った奇跡のような光景とは、どのようなものだったのだろうか?
マクドナルド兄弟の店では、とても効率的かつ品質のばらつきが少ない方法でハンバーガーが作られていた。
彼は、仕事柄、ハンバーガーショップに出入りすることが多かったが、その彼でさえ、見たことがないような方法で仕事が進められていた。
特に彼が感心したのは、誰でもハンバーガーが作れるような仕組みが整っていることだった。
しかも、アルバイトの高校生達がてきぱきと働き、店の前で長蛇の列をつくるお客さんにも行き届いた対応をしているのだ。
この光景を見たレイ・ロックは気づいたのである。マクドナルド兄弟が創り上げたのは、どこにでもあるようなハンバーガーショップではないことに。
そして、彼は、マクドナルド兄弟に12年間に渡り説得し、独占フランチャイズ権利を手に入れたのだ。
ところで、この光景とあなたの会社を比較して欲しい。
あなたの会社は、今日からアルバイトの高校生達がてきぱきと働くことができて、マネージャー1人で指示をして、彼らに仕事を任せることで、会社が上手く運営できるだろうか?
これが、「事業のパッケージ化」の魔法なのである。
ここ最近の日本でも、マクドナルドと同じような「事業のパッケージ化」に成功し、大きく成長した企業がある。その代表格は、「ユニクロ」だ。
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