スモールビジネスは、
なぜ、成功しないのか?(19)
「自社の強みとは何か?」(1)
スモールビジネスの経営者の致命的な勘違いに、「御社の強みはなんですか?」と質問すると、次の3つのどれかの返答が返って来ることがよくある。
1 「うちのような小さな会社に強みなどありません。」
2 「自分で言うのも何ですが、私が自慢できることは、
A、B、Cが優れていることが強みだと思います。」
3 「そうですね、人間性ですかね?」
1~3の返答は、何が致命的なのか、分かるだろうか?
そして、この中でも、最悪な返答は、3ではなく、2である。実は、3は、3つの返答の中でも、最も優れた返答なのである。
では、なぜ、2の返答が、最悪なのか?
その理由は、自分が誰なのか? それすら判っていないのだ。
ビジネスにおける「強み」とは、「経営者が自慢できること」ではないのだ。
確かにスモールビジネスは、経営者=会社のように見える点もあるが、それが、スモールビジネスが上手く行かない重要な理由になっていることは以前、申し上げた。
また、自分が比較して自慢しているA、B、Cが優位になる企業とは、いったいどこの誰なのか?
経営者が、こういった返答をする場合、ほとんどが、A、B、Cが劣勢な競合他社など存在せず、A、B、Cを自慢している理由が個人の自己満足か、願望か、妄想なのである。
つまり、この2の返答をする経営者は、
1 市場にいる顧客に興味がない。興味があるのは自分だけ。
2 競合他社が誰なのか考えたこともない。
3 経営者の自慢と自社の強みは別の物であることを知らない。
4 ビジネスにおいて、強みが何かを知らない。
この4つの過ちを同時に犯しているのである。
確かに、この2のタイプの経営者は、起業家として最悪なタイプなのだが、最悪ゆえに、最善の反面教師になる。
なぜなら、起業家が市場競争において、最低限知るべきことを全て知らない上、それら全てに問題を抱えているため、それらの問題の解決策を考えて行けば、自社の解決策のヒントになるのである。
そして、起業家が市場競争において、最低限知るべきこととは、
1 自社の顧客は誰か?(顧客は、どんな属性(欲求)を
もったグループか?)
2 自社の競業他社は誰か?(顧客が市場で自社と比較する
他社は誰か?)
3 自社は誰か?(自社は市場のどんなニーズを満たしているのか?)
4 自社の強みは何か?
この4つが、起業家が最低限知るべきことである。
では、どうやったら、これら4つが判るだろうか?
あなたは、こう思ったかもしれない。自社の「強み」は、経営者が自慢できることでないなら、いったい、何なのか?
実は、自社の「強み」は、上記の4つの項目の1~3が分からなければ分からないのである。
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