「事業の将来像を描く、起業家の視点とは」(2)
マイケル・E・ガーバーより
起業家にとっては、事業そのものが商品である。
職人にとっては、商品とは顧客に手渡すものである。
起業家にとっては、顧客は常にチャンスである。なぜなら、顧客のニーズはたえず変化し続けることを知っているからである。
そのために起業家は、顧客が現在や将来に欲しがるものを探し続けなければならない。
職人にとっては、顧客は常に面倒な存在である。なぜなら、職人がせっかく商品を提供しても、欲しがらないように見えるからである。
起業家にとっては、事業とは宝探しのようなもので、毎日が驚きの連続である。
しかし職人にとっては、やりたいことができない場所になってしまう。そればかりか、自分の努力が褒められたり、仕事が評価されたりすることはめったにない。
職人から見れば、社会は自分がつくれないものばかりを欲しがっているように見えるのである。
ここまで読んだあなたは、「職人タイプの経営者にも、起業家の視点はもてないのか?」と思っていないだろうか?
残念なことに、その答えはノーである。職人は顧客のニーズなどに興味をもたないだろうし、ほかにもやるべき仕事は多いのである。
しかし、違う方法もある。それは、私たちの内側で十分に開発されてこなかった起業家の人格に「ある情報」を与えることである。
そうすることで、職人にも「手ごろなサイズ」を超えて成功する事業の将来像を描けるようになるのである。そして「ある情報」こそが、あとで紹介する「事業発展プログラム」なのである。
これがきっかけとなり、私たちの中にある起業家の人格私たちの革新的な一面を刺激して、職人の人格という足かせから解放してくれるのだ。
そのために、すぐにでも私たちの中にある起業家の人格に刺激を与えなければならない。職人の人格が目を覚ます前に、起業家の人格が事業を軌道に乗せてしまうのだ。
先の話になるが、もし起業家の人格が目覚めて、起業家の視点をもちはじめたら、マネージャーと職人にもそれぞれの役割が必要になる。
なぜなら、起業家が走りはじめれば、マネージャーは走り続けるための燃料があるかを確認しなければならないし、職人は大好きなボルトとナットを手に修理の仕事に走り回ることになるからだ。
要するに、成功する事業には、起業家とマネージャーと職人のそれぞれに持ち場があり、それぞれの強みが発揮できるような、バランスのとれたものなのだ。
そのようなビジネスモデルを見つけるために、ある画期的な出来事が参考になる。
私はこれを「事業のパッケージ化」と呼んでいる。これを境にして、米国のスモールビジネスは、驚くような変化を遂げたのである。
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