高度成長期を支えた経営コンサルタント
一倉定(10) 「シンデレラの多角化の(4)」
「マネジメントとは企業内部に関する理論であり、外部-市場に関する理論は殆どない。市場は急速に変わってゆくがマネジメントの思想は「我、関せず」である。これが企業経営に大きな害毒を流し続けている。」
一倉 定
こんにちは。 今回は、多角化のアイディア出しが終わった時点から、マーケットリサーチで、どんなことを行えば良いかを見ていきましょう。
前回、「シンデレラ(飛び込み顧客)」が自社に教えてくれるニーズを、既存市場、関連市場、新規市場ごとにニーズを分類して、引越し屋さんを例に多角化する方法を確認しました。
そして、既存市場と関連市場のニーズ「不動産業界(床のコーティング、ハウスクリーニング)」から、
1 「内装完備できる引越し屋さん」 また、既存市場と新規市場のニーズ「リサイクル業界(家電製品、家具インテリアなどの買い取り)」から、
2 「リサイクル品を買い取る引越し屋さん」 このように「我が社の定義」をお客さんのニーズに沿って変えることで、自社の多角化の可能性が見えてきます。
ここで、一つお伝えしたいのですが、多角化に限らず、商品開発でも同じですが、収益を伸ばすために新しいことを始める時は、必ず、顧客のニーズが自社にあることが前提です。
お客さんからすれば、自社と競合他社には明らかに何かの違いがあり、その違いのおかげで自社に「シンデレラ」が舞い込んでくるのです。
ですから、あくまでも、一倉定先生の名言通り、「生き残る道はただ一つ。変転する市場と顧客の要求を見極めて、これに合わせて我が社をつくり変える。」なのです。
つまり、顧客のニーズに沿って我が社の定義を変えて、多角化や商品開発を行うことが、自社が生き残る唯一の道なのです。
さて、アイディア出しができましたら、次にそのアイディアを実行することで、自社がどの程度成長できるかマーケットリサーチを行います。
ここからマーケティングの実務が始まりますが、前回も申し上げましたが、マーケティングは次の4つのプロセスで出来ています。
1 マーケットリサーチ(情報収集)
2 分析
3 計画
4 実行
そして、アイディア出しの次にマーケティングの1のマーケットリサーチ(情報収集)を行います。 マーケットリサーチで収集する情報は、以下の5つです。
1 マクロ環境の動向(政治、経済、社会、技術、人口動態、自然の環境)
2 ミクロ環境の動向(業界環境)
3 競合他社の特定と動向
4 自社の競争優位性(価格戦略、差別化戦略の選択)
5 自社が実現する市場規模(売上高)
では、次回は、マーケットリサーチの5つの情報について見ていきましょう。
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