我が社が生き残るための ミクロ環境(業界環境)の競争戦略(2)
こんにちは。 早速、今回から、ミクロ環境(業界環境)のマーケットリサーチについて見ていきましょう。
まず、そもそも、ミクロ環境(業界環境)のマーケットリサーチは、どんな目的で行うのかと言いますと、結局のところ、自社の強みと弱みを知ることにつきると思います。
マクロ環境のマーケットリサーチでは、自社の新たな事業機会と脅威を洗い出すのがマーケットリサーチの目的でしたが、ミクロ環境(業界環境)のマーケットリサーチでは、自社の強みと弱みを洗い出すのが目的となります。
この自社の強みと弱みというのは、どうやって知るのかと言いますと、様々な方法論が言われていますが、最もポピュラーなのが3C分析と言われる分析方法です。
3C分析とは、
1.「顧客(Customer)」
2.「競合(Competitor)」
3.「自社(Company)」
この3つ(3C)の情報から成功要因(KSF key success factor)を見つけ出し、自社の「強み」「弱み」を特定するための分析です。
そして、成功要因は、次の10の要因に分類されます。
・市場の成功要因
1.マーケットシェア(市場占有率)
2.マインドシェア(顧客認知度)
3.ハートシェア(好感度) ・マーケティングの成功要因
4.製品(商品、サービス)
5.価格
6.流通(場所)
7.プロモ-ション
8.人(販売スタッフ)
9.業務プロセス
10.物的証拠
それでは、今回は市場の成功要因について見ていきましょう。
まず、マーケットシェア(市場占有率)とは何かと言いますと、要は、自社が市場で、どの程度、市場を独占しているかを示した割合です。
たとえば、市場に競合他社がいなければ占有率は100%です。
また、市場に競合他社が1社以上いて、市場全体で年間、100個商品が売れたとします。 売れた100個の商品のうち、50個が自社の商品なら、自社の占有率は50%です。
このようにして、占有率を求めることで、市場で企業間にどのような力関係が存在するかを見るための指標となるのが市場占有率です。
一時期、市場占有率は、企業の新規商品の商品販売力とあまり関連性がないと言われていた時期がありましたが、実際はそんなことはなく、市場占有率は、企業の新規商品の商品販売力そのもので、市場占有率が高ければ高いほど、新たな商品の売り上げも伸びます。
たとえば、インターネットで商品を売る場合で見てみましょう。
仮に、顧客はヤフーやグーグルでキーワード検索をして上位20番以内に表示されるコンテンツ内の企業の販売サイトで商品を買うとします。
そして、キーワード検索をした時に、上位1番から10番までが自社のコンテンツであれば、占有率は50%で、売れる可能性も高まりますが、上位20位以内に1つも自社のコンテンツが表示されなければ、占有率は0%で、商品が売れる可能性すらありません。
よく、この検索エンジン対策では、上位表示されることが大切だと言う人が星の数ほどいますが、それだけでは片手落ちで、上位表示できるのなら、上位20位以内の占有率を上げることも重要なのです。
これは、なぜかと言いますと、占有率が上がれば、当然、顧客の認知度も上がるからです。 つまり、市場の成功要因であるマーケットシェア(市場占有率)が上がれば、自動的にマインドシェア(顧客認知度)が上がるのです。
これに成功できれば、後は、ハートシェア(好感度)を上げる努力をすればいいのです。
インターネット販売では、ハートシェア(好感度)はデザインであったり、誠実な内容であったりと様々な要素がありますが、要は、サイトを見て顧客が何らかの好感(信用)がもてる販売サイト作りができていればいいのです。
このように、市場の成功要因とは三位一体で、どれか一つが実現できれば良いというものではなく、まず、市場に参加する(上位表示させる)ことができたら市場での3つの成功要因、つまり、占有率、認知度、好感度を同時に上げることが必須です。
占有率は、新規顧客の開拓は、インターネット以外なら、一倉定先生が言うように訪問回数であったり、訪問件数です。
まず、これを実現しなければ、価格や品質を改善してマーケティングの成功要因に着手したところで、全く意味がありません。
なぜなら、顧客は我社の存在すら知らないのですから。
では、次回は、マーケティングの成功要因について見ていきましょう。
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