(2)「ニーズ評価」
ニーズ分析を行い「必要なもの」、「欲しいもの」を確認した後は、見込み客が本当に欲しがっているものは何かを特定する必要があります。
その場合、商品が一点とは限りません。また、欲しい物の優先順位もあいまいです。
従って、セールス・パーソンがニーズを評価する時は、
1.見込み客が最も欲しい物は何か?
2.見込み客の欲しい物の優先順位はどうなっているのか?
以上の2点を確認し、見込み客が最も欲しい物から優先順位に沿って商談することが必要となります。
では、どのような基準で「最も欲しい物」を見つけ出し、見込み客の欲しい物の優先順位をつければ良いのでしょうか。
そのための方法として次の話が参考になります。
あるセールス・パーソンが調理器具の直販に携わっていた頃の話です。彼は、ある夫妻に調理器具のプレゼンテーションを行いました。
そして、プレゼンテーション用の料理を準備している間にその家にある調理器具を確認するチャンスがあり、その夫妻は、彼がこれから販売するつもりの調理器具を全く持っていないことが判りました。
セールス・パーソンは、その夫妻のニーズは非常に大きいと感じ、ほぼ二時間もかけて商談を成立させようとしました。
ところが、商談中の夫妻から出る言葉は、
「お金がありません」
「高すぎます」
「買えません」
のたった3つの言葉だけでした。
セールス・パーソンは仕方なく商談をあきらめ、その場を引き上げようとした時、3人のうちの誰かが無意識のうちに「食器」と一言つぶやきました。
すると、突然、夫人の目が輝いたのです。
「食器ですって? いいものがありますか?」と彼女は言ったのです。
セールス・パーソンは、「はい、もちろんです。世界最高級の食器を販売しております。」と答えたのでした。
30分もしないうちに、セールス・パーソンは、明らかに調理器具一式を超える金額の注文を手にその家を後にしました。ここで、考えていただきたいのです。
もし、本当に必要な調理器具一式を買う余裕がこの夫婦になかったのなら、なぜ、必要としない食器を買う余裕はあったのでしょうか?
その答えは、彼女は自分が欲しくない調理器具一式を買う余裕はなかったのですが、彼女が本当に欲しかった食器セットを買う余裕はあったと言うことです。
ここに重要なポイントがあります。
「人が自分の欲しいものを買う時は、お金を失う時に感じる感情(恐怖)よりも欲しいと思う感情が上回った時」なのです。
つまり、
購入=欲しいと思う感情の強さ>お金を失う感情(恐怖)の強さ
という関係が成り立つのです。
従って、この例からも判るように、セールス・パーソンがニーズの評価をする時は、下図のような優先順位1~4の順番で優先順位を決めてニーズを評価することが必要です。
では、次回はニーズ解決について解説いたします。
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