ブルーオーシャンなど存在しない! ところが・・・
「ブルーオーシャン」とは、W・チャン・キムとレネ・モボルニュが著したビジネス書「ブルーオーシャン戦略」の中で述べられている、競合他社がいない魅力的な市場のことを「ブルーオーシャン」といっています。
同著の中で、ブルーオーシャンという市場は、どのような市場かを説明していますが、今一つあいまいな内容で、要は「差別化」と「低価格化」を同時に行うことで「ブルーオーシャン」という競合他社がいない魅力的な市場が創造されるということになっています。
これは、「差別化」をすればコストは高くなりますし、「低価格化」をすれば差別化はできませんので、現実には、市場としては、ありえない妄想の世界ですが、ところが、ある条件を満たすと、似たような現象が起きます。
では、その似たような現象の製品が爆発的に売れるカラクリの第1ステージについて、詳しく見ていきましょう。
製品が爆発的に売れるには、2つのステージをクリアする必要があります。
第1ステージは、ニッチ戦略で、ターゲットマーケティングを行って狙ったニッチ市場を独占することで、市場での自社のポジションを獲得する(顧客から存在を認知されるようになる)ステージです。
たとえば、印刷業界を例にしますと、「封筒ならハートだよね」といった、その業界でニッチな市場に焦点をあてて、特定の製品でナンバーワンになる段階です。
ところが、このハート株式会社の会社案内のページを見ていただければわかりますが、ニッチと言われる分野でも市場が成熟すると、これだけの規模の会社になれるということがご理解いただけるかと思います。
また、名刺、はがき、封筒の分野には、既にニッチながら3大企業と言われる、ハート、山桜、ムトウユニパックという3つの企業があり、印刷業界でも激しい価格競争と差別化が行われていますが、印刷業界では今後の成長は見込めません。
これは何故かと言いますと、印刷業界は、一時期、DTPという新しい分野ができた時に非常に注目された業界ですが、その時点で、すでに時代のニーズから外れていて衰退期の業界でした。
そのような理由から、業界自体が新たなイノベーションがない限り、現在でも存続の危機を向かえている業界ですので、そんな市場で、さらに小さな分野ですから、この業界での成長はありえません。
しかし幸いながら、マーケティング的には「ハート株式会社」のように、こういったニッチ分野での最大規模の完成型を企業として確認することはできます。
次回は、この現象について説明いたします。
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