魅力的な新規参入の仕方(2)
こんにちは。今回も、魅力的な新規参入の仕方について見ていきましょう。
前回、市場の成長性という視点から魅力的な新規参入の仕方について考察しましたが、今回は、市場の法則性という根本的な視点から魅力的な新規参入の仕方について見ていきましょう。
前回、市場の魅力度は、以下の4つの基準の収益性と安定度(競争環境)で判断すると申し上げました。
1 魅力度4 収益性が良く競争も少ない
2 魅力度3 収益性は良いが競争が激しい
3 魅力度2 収益性が悪いが競争は少ない
4 魅力度1 収益性が悪く競争も激しい。
そして、最も魅力的な市場は1の魅力度4の収益性が良く競争も少ない市場です。
では、なぜ、このようなことが起こるのか?
その原因が判れば、どうすれば良いのか? という発見ができるようになります。
さて、原因究明する方法にロジカルシンキングあるいは、クリティカルシンキングと言われる思考方法があります。
多くの方が、この方法論を学ばれたと思いますが、この考え方を少しアレンジすると原因究明がしやすくなります。
まず、一般的なロジカルシンキングでは、問題が起きて解決するプロセスは、
原因 → 現象 → 解決策
といった3ステップで行われます。
そして、解決策を導くためには、
「現象」は「なぜ起きたか?」
「現象」は「なぜ起きたか?」
「現象」は「なぜ起きたか?」
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と、「なぜ?」を繰り返すことで、「原因」究明が行われ、「解決策」が発見されるということです。
多くの方がこの方法を試したと思いますが、あまり効果的な解決策は見つからずに、途中であきらめていると思います。
それは、なぜか?
根本的な解決策がなぜ、見つからないのか?
理由はいたって単純で、現象(問題)に焦点をあてて問題解決を試みているからです。
たとえば、マーケティングの課題に水漏れするバケツという課題がありますが、水漏れするバケツなら、「なぜ、水漏れしたのか?」これを繰り返し考えても、解決策は「水漏れしない方法」しか出てきません。
そもそも、バケツそのものに問題意識がいくことがありません。本来であれば、バケツの存在意義に焦点をあてなければ、根本的な原因究明になりません。
つまり、根本的な原因究明をする場合、ロジカルシンキング的な表現をすると、
原因 → 現象 → 解決策(あくまでも業界内だけの視点)
といったプロセスで原因究明するのではなく、
マクロ環境 → ミクロ環境(業界)
原 因 → 現象(原因 → 現象) → 解決策
この視点で、マクロ環境(原因)に焦点をあてて根本的な原因究明をします。
ピータードラッカーの名言に「優れた経営者は問題(現象)に集中しているのではなく、機会(原因)に集中している」という名言がありますが、まさにその通りです。
そして、このような視点で業界の市場の競争環境を見ると、市場の競争環境には業界の種類に関係なく、1つの法則性があることがわかります。
どのような法則性かと言いますと、全ての市場は参入障壁と退出障壁の強弱によって市場内の競争環境が決まり、全ての企業はその法則性に沿ってしか競争できない。
このような法則性があるのです。 これは、言い換えれば、全ての企業は、新規参入する時にどのような参入障壁と退出障壁がある市場を選ぶかで勝敗は決まるということです。
つまり、新規参入する時は、市場選びをした時点で、すでに企業の運命は決まっているということなのです。
では、次回は、企業の運命を決める「市場の参入障壁と退出障壁」について見ていきましょう。
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