2014年1月26日日曜日

ブルーオーシャン戦略の正体(1)

ブルーオーシャン戦略の正体(1)





 前回に続き、爆発的に製品が売れるカラクリの第1ステージについて、さらに詳しく見ていきましょう。

前回、「ブルーオーシャン」という競合他社がいない魅力的な市場など存在しないが、ところが、ある条件を満たすと、似たような現象が起きると申し上げました。

そこで、今回から、その「現象」について何回かに別けて見ていきましょう。

よく言われることに、ほとんどの会社は起業して5年以内になくなると言われていますが、その理由は、次のたった3つのうちのどれかの理由にあてはまります。


理由1 「ニーズがなかった」
理由2 「競合他社と差別化できなかった」
理由3 「競合他社より価格が高かった」

このどれかにあてはまります。

そして、一番多いのが「ニーズがなかった」です。

たとえば、本業が上手くいかないので畑違いの異業種に乗り出して失敗するケースです。一時期あった、行政書士が「家系図」を売るといったものです。

そもそも「家系図」がどうしても欲しい人がいったいどの程度いるのか何も調べていないし、どうして行政書士から家系図を買う方が顧客にとって得られる利益が多いのか? 理由が全くわかりません。

確かに「家系図」を売る行政書士と言えば、聞いたことがないし、ある意味「差別化」だとは言えますが、差別化とは本来、今ある市場の「顧客の最大の不満の解決策」が差別化ですから、上手くいくはずがありません。

また、この「誰が何を売るのか?」というのは非常に重要で、機会があれば詳しく書きますが、ここを間違うと全く何も売れません。

たとえば、どうしてもお医者さんから時計を買いたいという人はいないと思います。

時計なら、普通は量販店で買うか、あるいは駅前のおしゃれな時計店で買うか、デパートの時計売り場で買うか、銀座の○○で買うとなるように、時計一つでも誰から買うのかということは非常に重要なことです。

こういったことをマーケティングではポジショニングと言っていますが、医者が時計を売るといった誤ったポジショニングをすると製品のニーズとは関係なく全く何も売れません。

また、医者なら相性のよいものは、健康食品、生鮮食品など健康に関連したものや医療に関連した製品ですから、その範囲で考えることが必須です。

では、このポジショニングがあっていたとして、「差別化」してもニーズがないと思える時は、どういう時か?

そういった場合、たいてい差別化したと思える製品は、そもそも見たことも聞いたことも使い方すらわからないことが殆どで、誰も買わないのです。人は、なじみのない怪しいものは買わないのです。

では、次に「価格を競合他社より安く」したらどうでしょうか?

これは、程度にもよりますが、異業種参入よりは現実的ですが、ただし、競合他社と品質が変わらないか、競合他社より品質が良いことが条件になります。

また、価格を下げる場合、品質が重要ですが、これが難しいのです。

物販のメーカー品なら、他社よりも安くで伝わるのですが、製造業やサービス業のように無形な商売ですと、どうしても安定した品質を維持するための技術や納期や生産性が課題になります。

また、物販でも価格を下げずにおまけをつけて、事実上の値引きをする場合がありますが、これは、効果のある時と、逆に全く売れなくなる時があります。

この、おまけ商法はダイレクトマーケティングができた当時からおなじみの方法で、自分も何度もやりましたが、正直に申し上げると、大失敗した時が何度かありました。

どんな大失敗かと言いますと、どうしても競合他社より販売価格を安くできないので、高価なおまけをつけて販売したところ、全く売れない時がありました。


その時は、理由がわからなかったのですが、あるお客さんが「あの○○って怪しいんじゃない?  あんな高いおまけを付けて売るんだから」と言われた時に、なるほどと思ったことがありました。

つまり、おまけが良すぎても返って逆効果になる時があるのです。また、似たようなやり方に、通販でよく見る、いらないおまけを沢山つけて安く見せる方法もあまり効果がありません。

やはり、価格は、製品そのものの販売価格を下げて競争できなければ競争にならないのです。これらを総括すると、以下のような重要な成功法則が見えてきます。

つまり、5年以上生き残っている企業は、 

1 自社が扱う製品は、自社が販売してもポジショニングに違和感がない。 
2 自社が差別化した製品(商品やサービス)は市場の不満の解決策となっている。
3 自社の販売する製品は競合他社と同じかより低価格である。

最低、この3つの条件が必要だということです。

しかし、この3つの条件がそろっているだけでは新規顧客の獲得は、ほとんど望めません。

ところが、ある変化が起きた時に、この3つの条件がそろっている企業に突然、光明がさし出すのです。

次回は、その「ある変化」とは何か? について語ります。


ご質問・お問い合わせ:質問・お問い合わせフォーム
公式ウエッブサイト:創造的マーケティング戦略

マーケティング・経営 ブログランキングへ