魅力的な新規参入の仕方(1)
こんにちは。今回は、魅力的な新規参入の仕方について見ていきましょう。
まず、最初にお伝えしたいのは、新規市場といいますと、競争がない市場とか、顧客がどこからともなく新たに自然にできるといったイメージを描かれる人が多いですが、その辺の誤解からお話します。
まず、新規市場とは、どんな市場かと申しますと、今ある市場の顧客が代替品としてコストが安い製品に乗り換えてできた市場です。
たとえば、電卓なら、もともとは、そろばんの代替品なのですから、そろばんを使っている人がそろばんを使うことから電卓を使うことに乗り換えなければ、新規市場はできません。
そして、そろばんを使っている人が電卓に乗り換えることで初めて電卓の市場の新規顧客となり、新規市場が創造されます。これが新規市場です。
ですから、新規市場や新規参入を考える時は、まず、最初に、どの市場からどんな顧客を連れて来るのか? ここに集中したマーケティングを考える必要があるのです。
こういったことを踏まえた上で、今回の本題である魅力的な新規参入の仕方について見ていきましょう。 新規参入をする場合、まず初めに、新規参入する市場の魅力度を知ることから始めます。
市場の魅力度は、以下の4つの基準の収益性と安定度(競争環境)で判断します。
1 魅力度4 収益性が良く競争も少ない
2 魅力度3 収益性は良いが競争が激しい
3 魅力度2 収益性が悪いが競争は少ない
4 魅力度1 収益性が悪く競争も激しい。
最も魅力的な市場は1の魅力度4の収益性が良く競争も少ない市場です。
よく、市場の魅力度は市場参加者の数と成長率だと言う人がいますが、上述の市場の魅力度の4つの基準を見れば明らかにわかりますが、それは誤認です。
確かに、一見、市場参加者が沢山いて市場成長率が上向いていれば魅力的に思えます。
しかし、その市場で競争している内容は何かと言えば、単純に価格競争ですから、その市場が魅力的と思える企業は、たとえ市場内のニッチな市場(セグメント)であったとしても最低価格で価格優位を実現しても充分な収益が得られる企業だけです。
つまり、市場の参加者の数と成長率が上向いている市場は、多額な投資をしても充分な収益を得られる企業以外は、魅力度1の収益性が悪く競争も激しい市場のため、参加しても労多くして益なしといった、最も魅力のない市場なのです。
身近な例で言えば、たとえば、現在、国内のインターネットユーザー数は9610万人おり、そのうち、アフィリエイトをしている人数は380万人いると言われています。
つまり、国内のインターネットユーザーの25人に1人はアフィリエイトしていることになります。
仮に、インターネットユーザー全員が購入する商品があり、顧客はその商品を2個以上買わないとします。
また、アフィリエイトをしている人は同じような教育を受けていて販売力が変わらず、販売できる商品が1つしかなければ、平均値で言えば1人のアフィリエイターが売れる商品数は最大で25個です。
ところが、あるアフィリエイターは1000個売った経験があるとしたら、なぜ、1000個売れたのでしょうか? 答えは単純で、アフィリエイターが9万5千人以下しかいない時期に売ったから売れただけです。
つまり、仮に現在もこの市場の成長率が上向いていて、競合他社がどんどん参入できる市場であったら、果たして、魅力的な市場だと言えるのでしょうか?
このように、市場参加者が沢山いて市場成長率が上向いている市場は、競争が激しすぎる上、最も魅力のない市場なのです。 では、どうすれば良いのか?
次回は、その辺についてお話いたします。
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